育成が困難であると言われるポジション。名手たちに影響を与えたのはいったい誰で、さらにその教えを引き継いだ弟子はいるのか。3つの大きなラインから捕手史を考察する。(原題:[受け継がれる技術と頭脳]一目でわかる? 捕手系統図)
一目でわかる。……わけがないのである。
甘かった。3-1から置きにいった半速球ぐらい甘かった。キャッチャーの歴史は、野球の歴史。継承と経験と研究の膨大な積み重ねにより編み出された、奥義秘伝の集大成。一子相伝の暗殺拳であれば、系統図もできようが、1人の捕手に影響を与えた登場人物は数多に渡り、矢印は蜘蛛の糸の如く複雑に絡み合う。2頁では収まりきらない試みであったことをお詫び申し上げる。

この図はあくまでも日本捕手系統図のごく一部だ。主な3系統を抜粋してみたい。
最大派閥の源流は野村克也である。直弟子に古田敦也、矢野燿大、嶋基宏、山田勝彦ら名捕手を生み出しているが、刮目すべきは南海時代の野村の控え捕手だった黒田正宏、柴田猛(西山秀二、木戸克彦らが師事、以下同)、田中尊らがコーチとして多くの名捕手を輩出と、戦後日本における最大の捕手勢力となっていることだ。
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photograph by KYODO / JIJI PRESS / Bungeishunju
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