1966年イングランド大会準々決勝でホスト国の代表監督アルフレッド・ラムゼイが、ラフプレーを繰り返す対戦相手アルゼンチンに浴びせた「アニマルズ」という言葉。しかし、その試合に出ていたホルへ・ソラリが横浜マリノスの監督を務めていた時に私は直接聞かされたものだ。
「あのウェンブリーでの試合は私たちにとって生涯誇るべき出来事だったな」
サッカーという競技を生み、フェアプレー精神を育んだアングロサクソンの国と、それを輸入し独自の形態に発展させたラテンの国との何たる認識の違い……。この異なる文化の摩擦と衝突もまたワールドカップの魅力ではあるのだが。
それから20年後のメキシコ大会準々決勝でアルゼンチンのディエゴ・マラドーナが決めた、聖と俗の極みといえる「5人抜き」と「神の手」のゴール。
'98年フランス大会のベスト8を懸けた戦いでは、ディエゴ・シメオネの狡猾な誘いに乗ったデビッド・ベッカムの退場劇もあった。PK戦敗退後、英国メディアに「10人の勇敢な獅子と1人の愚か者がいた」と酷評された貴公子は、4年後の日韓大会でPKを豪快に突き刺してリベンジを果たす。
「組んず解れつ」を連想させるプレー
過去のW杯でアルゼンチンとイングランドの対戦は5回しかないが、当たると事件が起きてきた。そんな因縁に縁取られたカードが7月15日、米国ジョージア州アトランタでの準決勝で実現した。
結果は逆転勝ちしたアルゼンチンにとって、この上ないものになった。W杯連覇の偉業に挑戦するチャンスだけでなく、マルビナス諸島(フォークランド諸島)の領有をめぐる紛争が尾を引く相手を、こうチャントする資格も得たと思うからだ。
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