最後に試合に出場したのは、2017年10月のGPシリーズ・ロシア杯。以後、羽生結弦は実戦から遠ざかることを余儀なくされた。
11月9日、NHK杯の公式練習時に負った右足首の怪我は、全日本選手権出場を目指すとした、当初の発表以上に長期化した。
12月13、14日には相次いで、「通常の捻挫よりも治りが長引く靱帯を損傷していることが分かりました」「腱と骨にも炎症があるため治るスピードが早くはありません」とコメントを発表。
12月中旬には氷上に立ったが練習再開とまでは至らず、同月の全日本選手権の出場は叶わなかった。
結果、平昌五輪には、長いブランクを経て挑むことになった。しかも本格的な練習再開は、1月上旬になってからのこと。五輪本番の日までを考えれば、十分な練習時間とは言いがたい。

こうした状況から、羽生を危惧する声は少なくない。
「これだけ試合から離れて、試合の感覚を取り戻せるのか」
「練習が足りないのではないか」
「試合中、体力は持ちこたえられるのか」
「久しぶりの試合が大舞台であることから、余計にプレッシャーを覚えるのではないか」
今日までの過程を考えてみれば、それらの声はいずれも、決して的外れな心配であるとは言えない。フィギュアスケートに限らず、どの競技の選手であっても、このような経緯をたどれば不安視されることになるだろう――。
羽生は思わぬアクシデントに見舞われた
ただ、平昌五輪を目前にした今、羽生の刻んできた足跡をあらためて振り返ってみると、不思議に思い起こされる言葉がある。それは、試合のたびに何度か口にしてきた言葉だ。
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