記事を
ブックマークする
「神が授けたかのような…」恩師・都築章一郎が語る羽生結弦のメンタリティ「結弦はすさまじいまでの闘争心の持ち主」<アーカイブ記事/2019年>
世界選手権の羽生結弦は、全身全霊を込めた姿を見せてくれた。大会が終わった今、そう感じています。
ショートプログラムから振り返りましょう。
実は(2回転になった)最初の4回転サルコウは危惧していました。6分間練習の最後の方に跳んで失敗し、練習の終了間際にももう1本跳んで今度は成功させました。ただ、本来はもっと早いタイミングで跳んで、心を安心させておくべきです。ましてや滑走順は1番でしたから演技直前に試したことになります。「どうなのかな」と心配していましたが、悪い予感が当たってしまったと思います。
結果、3位で終えることになりましたが、翌々日のフリーは一転、素晴らしかった。どこがよかった、ここがどうとかもはや言う必要のない、「出し切った」という演技でした。崇高なる心を感じました。
あの演技ができたのは、やはりショートのつまずきがあり、どうにか挽回しようという思いがあったからでしょう。
そればかりではありません。結弦がすさまじいまでの闘争心の持ち主であることが大きいと思います。

小さい頃からとんでもなく負けず嫌いだった。
小さな頃から彼はとんでもないくらいの負けず嫌いでした。そして負けたときに感じるみじめさも心に染み付いていますから、常に「絶対に負けたくない」という思いで練習もしますし、負けを取り戻そうとする。その負けず嫌いぶりは、他の子どもたちと比べものにならないものがありましたね。
フリーのあの滑りは、そうしたメンタルを備える結弦ならではの演技でした。小さな頃から成人になるまでずっと変わらない、飛びぬけた負けず嫌いの心を持ち続けていること、スタンスがまったくぶれずに今日まで進んできたことも、あらためて感じる機会になりました。
プラン紹介
「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
この連載の記事を読む
記事


