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【インタビュー】羽生結弦、キム・ヨナも支えた“ハーネスマン”…ジェフ・ディオニシオが語るジャンプ哲学「欠けている部分を見つけるのが私の仕事」

選手が飛ぶタイミングに合わせてハーネスで釣り上げる。長年の経験が重要だ
回転軸の職人――。そんな言葉が彼には似合うだろう。トロントを拠点に活動するフィギュアスケートコーチ、ジェフ・ディオニシオさん(51)は、補助器具『ハーネス』を巧みに用いること25年。羽生結弦の4回転アクセルをサポートし、今では島田麻央が所属する木下スケートアカデミーとも契約する。この夏、トロント・クリケットクラブのサマーキャンプに参加した筆者が、ハーネスとは何か、そしてハーネスマンという職業について話を聞いた。インタビューを通して見えてきたのは、ジャンプの「真理」だった。

クリケットクラブの選手達、そして羽生結弦の4回転アクセル

 筆者がトロントに滞在した1カ月間、彼は毎日、朝から晩まで選手を吊り上げていた。金博洋(中国)や世界ジュニア選手権で3年連続銀メダルのシン・ジア(韓国)に始まり、1回転アクセルを練習しはじめた若手まで。時には彼より体格の良い選手を、軽々と吊り上げる。ブライアン・オーサーらと意見を出し合いながら、その作業を永遠に繰り返していた。

――ジェフさんは、このクリケットクラブで数多くの選手をサポートしてきましたね。

「僕がクリケットクラブで働き始めたのは2006年でした。キム・ヨナ(韓国)から始まり、ハビエル・フェルナンデス、羽生結弦、ガブリエル・デールマン、エフゲニア・メドベデワと、数々のメダリストの活躍を見届けてきました。信じられないような機会を与えてくれたブライアンとトレーシー(・ウィルソン)には感謝してもしきれません」

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photograph by Yoshie Noguchi

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