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【本田武史が解説】羽生結弦が“史上初の偉業”4回転アクセルに挑戦する意味「プログラムに入れようという発想自体がなかった」<アーカイブ記事/2018年>
まだ世界で誰も成功させたことがない4回転アクセルですが、挑戦していた選手は少なからずいました。2002年のソルトレイクシティ五輪金メダリストのアレクセイ・ヤグディンや、僕自身も、もうちょっと、というところまではきていました。
ただ、練習していたのは、自分も含めてトリプルアクセルを跳びやすくするためという意味合いが強かった。2003─2004シーズンから用いられている現在の採点システムと異なり、当時は「6・0システム」が使われていました。個々の技に対して点数が与えられるわけではなかったため、4回転アクセルのような高難度のジャンプにチャレンジするメリットがありませんでした。ですから試合で跳ぶ選手が誰もいなかったし、プログラムに入れようという発想自体がなかった。
世界で初めて成功する可能性
練習していたときの経験も踏まえ、羽生結弦選手が世界で初めて成功する可能性を考えてみたいと思います。
羽生選手のトリプルアクセルは幅と高さがあり、回転軸がしっかりしています。踏み込みの段階での腰と肩の止め方が上手なので大崩れすることがないですね。また、どのジャンプもあまり脇を締めず、肘をあげて回っています。ネイサン・チェンのようにもっと細く締めれば速く回れるんじゃないかと思うかもしれませんが、必ずしもそうとは言えません。例えてみるなら鉛筆と独楽で、鉛筆はぶれたらすぐ倒れるけれど、独楽なら多少ぶれても回り続けられる。羽生選手は肘をあげることで独楽のようにバランスをキープしてジャンプを跳んでいますから、細くすればぶれが大きくなってしまいます。
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