#1033
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[信じる力が生んだ偉業]バスケットボール女子「スーパースターなきスーパーチーム」

絶対女王のアメリカに敗れはしたものの銀メダルを獲得し、日本バスケットボール界に新たな歴史を刻んだ。躍進の原動力は何なのか。快進撃へとつながった理由に迫った。

 おめでとうの言葉が一番ふさわしい銀メダルだった。大会最終日に行なわれた女子バスケットボール決勝。日本(世界ランキング10位)はアメリカ(同1位)に75-90で敗れたが、持てる力を出し切った。その結果が男女を通じて日本バスケットボール界初のメダルという快挙につながった。

「金メダルを目標にしていたので悔しいですが、銀メダルを誇らしく思います」

 表彰式で笑顔を見せたキャプテン高田真希は、胸を張った。22歳で出たロンドン五輪世界最終予選では出場権を得ることなく敗退。初出場の'16年リオ五輪では準々決勝でアメリカと対戦し、涙をのんでいた。

 平均身長184cmのアメリカに対して176cmの日本は、高さで劣る分をオールコート守備や組織力で補っていく作戦だった。アメリカとは予選ラウンドで対戦し、69-86で敗れていたが課題の修正は可能という見立てもあった。だが、ここまで五輪で54連勝中の相手は一枚上だった。

 アメリカは日本を研究し、完璧にアジャストしていた。守っては、準決勝までの5試合で43.6%という高い3Pシュート成功率を誇っていた日本に対して労を惜しまず体を寄せ、林咲希や宮澤夕貴に決めさせない。攻めては身長203cmのブリトニー・グライナーにボールを集め、ゴール下を制圧。インサイド勝負に持ち込まれた日本は苦しい展開を強いられた。

 しかし、12人は最後まで諦めなかった。第1Qから14-23といきなり9点差をつけられたが、第2Qは25-27とほぼ互角に戦った。「100個ある」(高田)というナンバープレーの1つを繰り出し、エンドラインのスローインから林がシュートを決めたシーンもあった。39-50で折り返し、第3Qは相手がギアを上げてきたが、第4Qも日本は粘った。最後は馬瓜エブリンがリバウンドシュートを執念でねじ込み、予選ラウンドでつけられた17点差から15点差へとチームを“一歩前進”させた。

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photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

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