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「海外でのプレーは考えもしなかった」伊東純也、自身の成長を振り返る″飾らない言葉”《公立高→神大→甲府→日本代表》【インタビュー2021年】

2024/05/24
ベルギーで高いパフォーマンスを続ける伊東純也が、代表の定位置争い激戦区で存在感を高めている。プロ入り後、猛烈な勢いでステップアップしてきた“回り道”のキャリアを、飾らない言葉で語った。(初出:Number1026号伊東純也  [雑草アタッカーの矜持] 「遠回りはしたけれど」)

 Jリーグ時代から右サイドのチャンスメイカーとして名をはせていた快足ウイングは、今季開幕前に「10ゴール10アシスト」の目標を自身に課した。

「アシストは元々得意だったので、ゴールでインパクトを残したかった。(10得点で)ギリギリだったけど、狙ってできたのはよかったです」

 リーグ戦ではKRCヘンクをプレーオフに導き、カップ戦では自らのゴールでタイトルをもたらす。充実の日々を送る現在、伊東純也は従来の武器に磨きをかけるとともに、プレーの幅も広げている。

「でも、何かを変えようと意識したっていうより、10点取りたいなと思っていたら取れた、って感じです(笑)」

 右利きは左サイドに、左利きは右サイドに―。現代サッカーでは、“逆足”のアタッカーを前線の両サイドに配置することが多いなか、希少な右利きの右ウイングは、その存在自体が貴重だ。日本代表で右のポジションを争う堂安律や久保建英といったレフティが、彼の価値を際立たせる。

「利き足が中を向いていると、どうしてもカットインばかりになったりするんですけど、右利きの右サイドだとピッチを幅広く使えたり、突破してクロスを上げたりが増える。他にあまりやっている人がいないので自分の特長は出しやすいし、自分としても右サイドのほうがやりやすいです」

 ベルギーへ渡っておよそ2年半。伊東が日本代表の序列を動かし始めている。

プロでの輝かしい経歴とは不釣り合いな“緩さ”。

 今でこそ海外組に名を連ねる伊東も、エリートコースとは無縁の道を歩んできた。実力うんぬんの前に欲がなかった。

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photograph by Tsutomu Kishimoto

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