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「『高橋大輔ってこんなものなの』と言われる可能性もあった」高橋大輔が追求する“表現”と“スケーターの未来”<独占インタビュー/2019年>

高橋大輔。2019年のインタビュー時に
4年のブランクを経て復帰を果たした今シーズン。技術面では課題も残ったが、周囲を巻き込む圧倒的な存在感は健在で、全日本選手権2位という結果を残した。そんな彼の目下の挑戦は舞台『氷艶』だ。“競技者”から“表現者”へと着実に歩みを進める33歳が描く未来像、さらにフィギュアスケート界に持つ大きな“夢”とは。(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2018-2019髙橋大輔 表現者であり続けるために。)

 今シーズンのフィギュアスケート界の大きなトピックの1つは、まぎれもなく、髙橋大輔の現役復帰だった。

 2014年に競技生活から退いて4年。昨年7月1日に復帰を発表すると、大きな関心が寄せられた。4年のブランクがあり、しかも32歳での挑戦である。男子なら20代半ばでもうベテランの域となるフィギュアスケートという競技の特性を考えれば、異例と言ってよかった。

 期待と不安の眼差しが注がれる中、髙橋はひとつひとつ、試合に臨み、階段を上がっていった。

 復帰戦となったのは、昨年10月の近畿選手権。プログラムは、ショートが『シェルタリング・スカイ』、フリーは『ペール・グリーン・ゴースト』。ショートは冒頭のトリプルアクセルをはじめ、3つのジャンプすべてに着氷、首位に立つ。しかし続くフリーはジャンプが思うように決まらず、総合3位で復帰戦を終えた。

「最低ですね。今まで、練習でも、ここまでぼろぼろになったことはなかったので」

「1つの試合をこなすというのは、精神力や体力といったいろいろな要素をたくさん使うと、あらためて感じました」

 試合後、反省の言葉が並んだ。

 11月には2戦目となる西日本選手権に臨み、近畿選手権からショート、フリーともに大幅に精度を高めた滑りで初戦より大幅に得点を伸ばし、優勝を果たす。

「気持ちの部分、メンタルではすごくいい状態で過ごせているけれど、それに体がついていっていない。やっぱり追い込んだりすると怪我をしたり、4年のブランクで、蓄積、積み上げがないですね。予想通りというか」

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photograph by Asami Enomoto

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