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「90%は脳みその出来で決まる」マックス・フェルスタッペンは“非凡な脳”で超速を生む「エンジンのラグへの解像度が高い」【F1絶対王者】

「あらゆるスポーツと同様、モータースポーツにおいてもアスリートのパフォーマンスを決めるのは脳だ。90%は脳みその出来で決まる」
レッドブルのチーム代表として、9年以上マックス・フェルスタッペンとレースを戦ってきたクリスチャン・ホーナーは、フェルスタッペンが4度王者に輝いた理由をそう説明した。
ホーナーには忘れられない無線でのやりとりがあった。2023年のスペインGPでのことだ。フリー走行で、フェルスタッペンがレースエンジニアと交信していたとき、エンジニアからの無線を聞いていたフェルスタッペンが、こう返答した。
「だれかの電話が鳴っているよ。もしかして、隣にいるヘルムート(・マルコ/モータースポーツアドバイザー)の電話かな?」
F1マシンをミスなく、自己ベストに近いタイムで走らせながら無線で会話するだけでも大変な中、フェルスタッペンは無線から聞こえてきたマルコの着信音さえ、聞き逃さなかった。いかに脳の処理能力が優れているかがわかる。
'19年から昨年まで約6年間、フェルスタッペンと仕事をした経験を持つホンダ・レーシング(HRC)の湊谷圭祐エンジニアも、ほかのドライバーとの最も大きな違いは、脳のキャパシティだと語っていた。

「いろんなF1ドライバーを見てきましたが、マックスほど常に余裕を持ってクルマを走らせているドライバーは他にいません。余裕があるからこそ、エンジニアから無線で指示を受けても、コクピットの中でステアリングをいろいろと操作して、すぐに対応できる。普通のドライバーはそこまで余裕がないので、無線で指示を受けた後、次のストレート区間が来るまで操作ができないことが多いんですが、マックスはコーナーとコーナーの間のちょっとした区間ですぐに対応していました」
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