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「この1年で評価が一変」「番付が人を作る」大関・霧島のようやく見えてきた“形”とは?<元横綱稀勢の里が徹底解説>

2024/01/27

 令和6年、初場所が始まっています。今年も二所ノ関部屋の力士たちが土俵を盛り上げていけるよう、しっかりと指導してまいります。

 さて、今場所は大関・霧島関の綱取りがかかっています。昨年のこの時期は小結だった霧島関が、ここまで番付を上げていると予想した人はどれだけいたでしょうか。それだけこの1年で、霧島関は評価を一変させました。

 実のところ、私はかつての霧島関に物足りなさを覚えていました。それは自分の「形」がないことです。

 たとえば私の場合は、立ち合いからの左差しが生命線でした。負けた時でも自分が大切にしている形があれば、そこに立ち返ることができます。しかし、霧島関には、その形がなかなか見えませんでした。軽量級ゆえに押し込まれてしまうことから、勝ったとしても土俵際で逆転する相撲が多く、得意な取り口が見えづらかったのです。裏を返せば、それでも大関まで昇進したということは、尋常ならざる身体能力が備わっていたのでしょう。

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photograph by Takayuki Ino(Illustariton)
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