試合を終えた夜遅く、父母と開く反省会がルーティンだ。東洋太平洋スーパーフェザー級王者の波田大和は7月4日、同級日本王者の奈良井翼を小差判定で下し、いつものように実家のテレビの前に3人で座った。
「一人暮らしなんですけど、試合のときだけ実家に帰るんです。映像を見ながら両親が疑問を投げかけてくる。『なんでここで攻めなかったの』とか、『なんでボディを打たなかったの』とか。その一つ一つに自分が答えていくんです」
試合は奈良井の持つ日本タイトルはかけられなかったものの、事実上の2冠戦であり、勝者が世界挑戦に一歩前進する大一番だった。互いにハードヒッターであることが緊張感を一層高める中、波田は先手を取り、3回には左を効かせてチャンスを作った。しかし、その後はリターンを狙う奈良井の左フックを警戒するあまり、やや積極性を欠いてしまう。勝利に徹したスタイルは決して悲観する内容ではなかったが、だからこそ、両親の抱く素朴な疑問が身に染みた。
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photograph by Hiroaki Finito Yamaguchi
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