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「伸びしろしかない」「でも不安もある」池江璃花子が揺れた復帰後初の海外遠征〜欧州転戦を振り返る〜

2023/07/03
約5年ぶりとなる海外遠征。この5年の間には闘病、コロナ禍があった。直前の日本選手権でようやく「戻ってきた」という感触を得て臨んだヨーロッパグランプリで、目の当たりにしたものとは。

 ヨーロッパ遠征が終わりました。久しぶりに海外に行って、すごく羽を伸ばせました。リラックスできたことが何よりでした。やっぱり日本にいると周りの目を気にしながら生活しているので、堂々と、みんなでわいわいしながら過ごすことができて、楽しかったです。

 ヨーロッパグランプリが始まると、東京オリンピックで会えなかった選手やご無沙汰していたコーチが、私と再会できたことを喜んでくれて、とても嬉しかったです。

 参加したレースは3つ。フランスのカネ、スペインのバルセロナ、そしてモナコを回るスケジュールでした。結果は3大会とも、すべてのレースであまり良くありませんでした。現地に入ってから1週間弱くらい感覚が良くなく、ずっと身体が重くてうまく泳げない感じでした。原因はわかりません。初戦のカネ大会の時、「このプール全然進まないな」と思っていて、そのまま身体が動かず気づいたら終わっていた、というレースが多かったですね。

 50mバタフライ(半バタ)では、カネ大会で3位(25秒89)、バルセロナ大会で2位(25秒77)、モナコ大会でも3位(25秒91)に入り、メダルを獲ることはできましたが、タイムはもうちょっと出せたんじゃないかと思いました。

 特にカネ大会は、ちょうど5年前、私が半バタの日本記録(25秒11)を出した場所だったので、期待していた分、残念でした。

 他の種目はもっと良くなかったんですが、半バタと他の種目は別物なので、並べて考えることはありません。

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photograph by Asami Enomoto
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