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【告白】「諦めることを諦める、というか…」鈴木聡美、12年ぶりオリンピックと4位入賞の背景「競泳は8割がメンタル」《史上最年長33歳で五輪出場》
2024/10/30
実に12年ぶりに五輪決勝の舞台に立ったパリ五輪。4位入賞という結果に、笑顔を弾けさせた。若年層が活躍する競泳界の常識を覆す泳ぎを見せ、30代に入ってなお成長を続ける彼女の原動力とは。(原題:[不屈の33歳]鈴木聡美「自分の限界をさらに超えて」)
「オリンピックの表彰台からの景色を味わうことができたのは大きかったですね。あそこから、私の挑戦が始まったと言ってもいいのかもしれません」
2012年のロンドン大会。鈴木聡美は五輪初出場ながら女子200m平泳ぎで銀、100m平泳ぎと400mメドレーリレーで銅と3つのメダルを獲得し、鮮烈な印象を残した。
あれから12年。日本競泳史上最年長での五輪出場となった33歳は、今夏のパリ大会で3度目の五輪に挑み、女子200m平泳ぎでメダルにあと一歩と迫った。
決勝で踏み出せた新たなステップ。
100mは準決勝敗退に終わったが、200mでの4位入賞は大健闘。レース後、興奮気味に語る鈴木の表情からは、心身ともに充実している様子が伝わってきた。
「選考会より速く泳ぐという最低限の目標は達成できたので、まずは自分に拍手を送ってあげたいですね。ただ、結果を見ると3位まであと少しというところで、メダルが獲得できなかった悔しさもあって。今、その両方の感情がぶつかりあっています」
久々の五輪決勝の舞台に胸は高鳴った。
「これが個人種目のラストだと思うとちょっとした寂しさもありましたね。あとはオリンピック独特の緊張感も。決勝では金メダルを獲得したアメリカのケイト・ダグラスや調子を上げてきていたタチアナ・スミス(南アフリカ)が必ず(2分)19秒台を出すだろうと予想していたので、2人についていくようなレースができれば、今、自分が出せる最大限の力を発揮できればと思って決勝に臨みました」
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photograph by Wataru Sato