#1067

記事を
ブックマークする

第11回「今は『しんどい』以外の言葉がない」

2023/02/13
年明け、4カ月ぶりにレースに出場。思うようなタイムが出ず、会見では何度も「自信がない」とコメントした。昨年後半、何があったのか。何に苦しんでいるのか、胸中を明かした――。

 年明けに出た東京都新春水泳競技大会は、昨年9月の国体以来久しぶりのレースでした。合宿の一環だったのであまり記録のことは考えずに、とりあえず出たという感じでした。でも試合に出るからには結果を出したいと思う自分もいるし、どこかで無理なんじゃないかと思っている自分もいて。自信のないまま泳いだ結果、体は全然動かず、タイムも散々でした。多分レースに対して結果を求めすぎていて。それが今、自分を苦しめている原因の一つでもあるかなと思います。

 昨年9月のオフ明けから、体調を崩してしまうことが多くあって、練習ができない期間がありました。練習を再開できるようになっても、風邪っぽい感じで、みんなと同じように泳げない時もあって。治って、頑張ろうとした時にまた別の症状が出たり。そういうことが続いたので、思うようにトレーニングが積めていませんでした。体調管理はしっかりしていたつもりだったんですが、一気に疲れがきていたのかな。

 厳しいトレーニングがあまりできていなかったので、無理して試合に出る必要もないし、咋シーズンは春も夏も結果があまり良くなかったから、冬場の強化をしっかりやりたいなと思って、国体以降の試合は全部棄権させてもらいました。

 今では体調も戻り、12月の宇都宮合宿、金沢合宿、年始の長岡合宿は自分なりに一生懸命やったつもりで、多分強化はできていると思います。

 ただ、なんかしっくりこないんです。練習はちゃんと頑張ってます。頑張ってるはずだけど、頑張ってると自分が認められない。どうしてかわからないんです。普通にトレーニングは積めている。コーチも褒めてくれるし、むしろいいって言ってくれる。練習のタイムはいいので、周りから見たら、これの何が悪いのって感じると思います。でも「今日良かったね」って言われても、何が良かったんですか、と思ってしまう。「頑張ってたね」って言われても、今日のどこを見てそんなことを言ってるのって思っちゃう。褒められることに対しての“はてな”が大きくて。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Asami Enomoto

0

0

0

前記事 次記事