梅に菜の花、春めくと決まって頭をかすめるのが1974年3月19日、東京・蔵前国技館で行われた大物日本人選手同士の対決。「昭和の巌流島」と呼ばれたNWF世界ヘビー級王者アントニオ猪木vs.挑戦者ストロング小林の一戦だ。
'74年2月の出来事は、今思い返しても心に突き刺さる事件である。筆者は東京スポーツ新聞の国際プロレス担当ながら、エース小林の退団をまったく知らなかった。東京・高田馬場の喫茶店で開かれた単独記者会見で、小林は国際の吉原功社長に辞表を提出したことを明かし、フリー宣言して退団の決意を語った。
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