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「あの大変さを乗り越えることはもうできない」角田夏実が明かす引退までの“葛藤”と新たな“野望”「今はワクワクする気持ちでいっぱいなんです」《インタビュー》
「以前の自分だったらトレーニングやランニングなど、日々のルーティンをやらないという選択肢はなかったし、どれだけやっても完璧はない、常に何かが足りないと思いながら過ごしていましたが、一線を退いた今はそれほど追い込まれることがなくなりましたね。今は生きるのがすごく楽になったような気がします」
引退会見から3カ月。パリオリンピック柔道女子48kg級金メダリストの角田夏実は、清々しい表情で語った。
「(1月下旬に)会見をしてようやく次のスタートへ気持ちを切り替えられたというか、行く先が明るく見えてきて。これから自分に待ち受けているもの、そして私に何ができるか、今はワクワクするような楽しい気持ちでいっぱいなんです」
だが、引退を発表するまでのパリからの1年半は、続けるのか、それとも競技から退くのか、気持ちが大きく揺れた。
「今日は続けると思っていても、明日には辞めるとか、考えがコロコロ変わるんですよ。よく“どっちなんだよ”って自分に問いただしていました。それほど、はっきりしなかったですね」
どちらに転ぶかは、当の角田にもまったく予想がつかなかったという。
「中途半端な気持ちでは試合に挑めない」
パリの半年後に行われたグランドスラムでは優勝し、客観的に見ても、力が衰えているとは微塵も感じなかった。まだまだ絶頂期にある。次の'28年ロサンゼルス五輪も目指せるのでは、そんな期待を誰もが抱いたはずだ。だが、彼女は第一線を退く決断をした。それはなぜだったのか。そこには誰よりも冷静に分析する自分と、柔道家としての誇り高き美学があった。
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