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[ゴール裏の目撃者たち]僕らが代表を応援し続ける理由

2021/09/26
旧来の応援団とは異なる「サポーター」は、サッカー文化の“新しさ”の象徴でもあった。日本にサポーターを広め、今も代表を追い続ける3人が、スタンドで紡いできた歴史を語り合った。

福森 それぞれお気に入りのユニフォームを持ってきてほしいと言われたんですけど、やっぱり植田さんはそれですか。

植田 家にいっぱいある中から引っ張り出して、これにした。

松下 でも朝日のイメージは絶対にそれ。

植田 そうかな?

福森 植田さんが代表の応援を始めたのは、いつからなんですか?

植田 小学生の頃かな。'85年の森(孝慈)さんのチームから応援するようになって、'87年のソウル五輪予選あたりからメディアに出始めた。当時の『サッカーイレブン』という雑誌で「ゴール裏に現われた新人類」なんてイラスト付きで紹介されて。

松下 Jリーグが始まる前から朝日のことは知ってたけど、俺の周りの連中は「朝日に絡むと怖いぞ」って言ってたな(笑)。

植田 そうなの? 振り返ってみると日本代表をがっつり応援するようになったのは、'92年のオランダ合宿が大きかったかな。選手に何人か知り合いがいたから、合宿を見に行ったわけ。でもサポーターは俺ひとりしかいなくて、しかも顔にボールをぶつけられるんだよ。2度も当たってさすがに「なんだよ!」と怒ったら、犯人は(ハンス・)オフト監督でさ。「コンセントレート!(集中しろ)」と言って笑ってるわけ。

松下・福森 ワハハハ!

植田 そのオフトがね、「お前は12番目の選手だろう」って言うから、「だったら12番のユニフォームくれよ」って。そしたら実際に12番をつけていた平川(弘)のシャツをくれたんだよね。ずっとこのチームを応援していこうという気持ちになったのはあのときから。あのオランダ合宿がウルトラスと言われているものの始まりになった。

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photograph by Yuki Suenaga

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