山崎康晃の数字は突出している。入団以来、2年連続で30セーブを記録したのは山崎が初、3年連続で20セーブを記録したのも史上初だ。その記録を山崎は4年目に37セーブで、5年目には30セーブで更新した。この5年間は58、59、68、57、61試合と、毎年50試合以上に登板している。過去、ルーキーイヤーに抑えを任された与田剛、三瀬幸司、永川勝浩らも活躍は3年続かなかった。プロ2年目の8月、3年目の開幕直後など短期的に不調に陥ったことはあったものの、均して見れば山崎にカベはなかったと言っていい。
「でもね、どれだけ抑えても、負けた試合が記憶に残ってしまうんです。打たれたことが身体に染みついているからなのかな。去年も『印象に残った試合は』と訊かれれば2本のホームラン(4月25日のタイガース戦で近本光司に打たれた逆転3ランと8月12日のスワローズ戦で村上宗隆に打たれた逆転サヨナラ2ラン)がフラッシュバックしちゃいますからね。抑えというのは8回までリードしてくれていないと何もできないし、それこそブルペンで指をくわえて見ていることしかできないじゃないですか。だからこそ、みんながつないでくれた9回、誰もが勝ったと思う展開でマウンドへ上がって、一発を食らってしまった試合は忘れられないんだと思います」
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photograph by KYODO