プロ野球も終盤戦に入って、はっきりしたことはソフトバンクがずば抜けて強いということだった。そのソフトバンクで今年、注目すべきパフォーマンスを見せ、ただ者でないことを証明したのが柳田悠岐である。まだシーズンは終わっていないが、総合的に判断した時、2015年のプロ野球で最も優れた打撃成績を残すことは間違いない。何がどのように優れているのか、具体的に見ていこう。
アベレージ、長打力、そして選球眼。打者の総合的な攻撃力を表現する記録が、出塁率と長打率を合計したOPS(On-base Plus Slugging)だ。これが10割を超えると「超一流」ということになる。過去10年間、両リーグの中で年間OPS10割を超えた選手は以下に示した延べ15人だけ。柳田は今年10割超えが確実な状況だ。8月24日の時点(以下同じ)で出塁率.465、長打率.628だからOPSは10割9分3厘。'13年にW・バレンティン(ヤクルト)が60本塁打の新記録を樹立した時にマークした12割3分4厘には及ばないものの、これに次ぐ数字――すなわち以下の日本人選手の中では、最高の数字を残す可能性がある。
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photograph by Hideki Sugiyama