斎藤佑樹は、2011年のプロ野球の顔である。プロで1球も投げていない選手にこういうことを言うのは、一般論としては間違っているが、斎藤は、そういう一般論に収まる選手ではない。彼ほど多彩な物語を築いてプロ入りする選手は、日本野球の歴史上でも、ちょっと前例がないからだ。
甲子園の決勝で引き分け再試合をやったのは彼が最初ではないが、その時、投げ合った投手が2人ともプロ入りするのは初めてのこと。斎藤が日本ハムに入ったことで、プロにおける田中将大との再戦には「北海道―東北」という近隣対決の意味合いも加わった。
神宮では50年ぶりの早慶優勝決定戦で有終の美。チームメートの大石達也、福井優也もプロ入りしたが、特に大石は西武に入ったため「斎藤―大石」対決は、パ・リーグ優勝争いの中で実現する可能性もある。
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