片鱗は覗かせた。ついに立った一軍の舞台。ヒットを打つことは出来なかったが、ルーキーの放った痛烈なライナーは、ライトを守るベイスターズの多村仁志をヒヤッとさせた。一瞬、前へ出かかって、慌ててジャンプする。彼はそれほど伸びのある打球を飛ばしたのだ。
6月22日、横浜でのベイスターズ戦。
ファームから昇格してライオンズの5番、DHに座った山川穂高は、イースタンで打ちまくっていた。ケガで出遅れながらこの時点でのホームラン15本、43打点はリーグトップ、打率.340は2位。右にも打てる柔らかさを兼ね備えたバッティングや100kg超の体型、左手をダランと下げて右手一本でバットを持つ構え方などはどれも中村剛也にそっくりで、だから彼は“おかわり2世”と呼ばれた。山川が打席に入ると、ベンチで見つめる中村も思わず苦笑いを浮かべてしまうほどだった。山川はこう話す。
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photograph by NIKKAN SPORTS