序盤戦を分析すると“1強”レッドブルがマクラーレン、フェラーリ、ルノー、メルセデスGPを凌駕。これら5チームを追う先頭に小林可夢偉をエースとするザウバーがつける。この新戦力構図でヨーロッパラウンドへと入った。
あらゆる要素で優るレッドブルに対し、他のチームにはそれぞれ課題を指摘することができる。マクラーレンはハミルトンが中国GPで1勝を挙げたが、コースによってマシンセットアップが難しく好不調の波がある。冬のテストでレッドブルに接近していたフェラーリはマシンアップデートで躓き、空力データの再点検に追われるなどベースパフォーマンスの改善に精力を傾けなければならなかった。両陣営の間隙を縫って表彰台の一角に切り込んだルノーを、レッドブルのチーフテクニカルオフィサー、A・ニューウェイは「最大のサプライズ」と賞賛するが、裏を返せばR・クビサ欠場により現在の2人のドライバーは脅威ではないという意味にも取れる。2年目に入ったメルセデスGPの悩みはピレリとのマッチングで、低温コンディションでは比較的いいが路面温度の変化によってロングランペースが激変し、戦略面に影響が出た。
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photograph by Hiroshi Kaneko