野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
選手たちの新・応援歌を総チェック!
歓喜の歌がライトスタンドに響く日。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byHideki Sugiyama
posted2011/03/21 08:01
東北地方太平洋沖地震でもっとも被害が大きかった球団・東北楽天ゴールデンイーグルス。本拠地クリネックススタジアム宮城に再び明るい応援歌が響きわたる日はいつになるのか……
12球団で唯一、選手全員の応援歌を持つソフトバンク!?
そして12球団で唯一、投手も含む登録選手全員に応援歌を作ろうとしているのは応援歌天国ソフトバンク。昨年ドラフトされた5名ほか新外国人投手のレルー、移籍してきた内川、細川、カブレラと、選手の数だけ応援歌があるわけだ。果たして、全員覚えているファンはいるのだろうか……いるのだろうな。
内川は横浜時代のポップな曲調から一転、松中ら往年のホークスの看板打者を彷彿とさせる重厚な旋律。細川も主軸らしい王道の出来栄えと、それぞれに相応の期待がうかがえる。
投手応援歌をはじめ、多くの選手に個人応援歌がある西武は今のところ新しい応援歌は発表されていない模様。秋山翔吾あたりが活躍次第ではシーズン中に出てくるか。日本ハムでは、大野、鵜久森、村田和哉とレギュラー獲りに期待が掛かる若手に揃って個人応援歌がついた。だが、彼らと同じぐらいの立ち位置にいる陽岱鋼への個人応援歌は見送られた。これは本人としては相当悔しいはず。今季の陽に注目したい。
本塁打王T-岡田に個人応援歌が! 楽天の岩村、松井は……。
そしてオリックスは相変わらず熱い。
今シーズン満を持してついに個人応援歌が完成したのがT-岡田。同球団らしい勇ましくて骨太な旋律に、野球界ではタイロン・ウッズ以来となるまさかの「T」コールが鳥肌もの。球団の顔となる選手に相応しい、今シーズンの目玉ともいえる渾身の一作だ。
さらに、意外なところでイ・スンヨプ。歌詞に韓国語が多すぎて慣れるまでが大変かもしれないが、楽曲の方はT-岡田に匹敵するであろう素晴らしい出来栄え。声が揃うようになれば、かなりの完成度になるだろう。その他も素晴らしい作品をそろえてきたが、欲を言えば、坪井に「PL、青学、東芝、(阪神、日ハム)」のファンファーレを入れて欲しかった。
最後に楽天だが、岩村、松井稼頭央というビッグネーム2人が加わっていながら、彼らの応援歌は今のところ発表されていない。今月の頭に星野監督が応援を行わない「球音を楽しむ日」を作ることを示唆したことで、遠慮しているのだろうか。ヤクルト時代の岩村、西武時代の松井稼頭央の応援歌が名曲だっただけに、今後の展開に期待したい。
以上、ざっと駆け足で見てきた今シーズン注目の新応援歌。しかし、どんなに素晴らしい個人応援歌がついたとしても、選手自身が活躍しなければ埋もれてしまうのが応援歌の難しいところ。本当の名曲というものはシーズンが終わったときにはじめてわかる……のかもしれない。