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「勇気」ではなく「義援金」を!
球界が果たすべき、本当の復興支援。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKazuaki Nishiyama
posted2011/03/19 08:05
練習時にイチローと談笑する仰木彬監督。阪神淡路大震災にあった1995年にオリックスを初のリーグ優勝に導いたが、日本シリーズでは野村克也監督のヤクルトと戦い敗れている
「勇気を与える」というおためごかしでなく義援金を!
ならば……あえて思う。
球界は「勇気を与える」などというおためごかしではなく、本当に復興支援のために徹底したお金集めに取り組んでほしい。
例えば今季は公式戦の入場料を一律100円アップして、それをチャリティーにしてはどうだろうか。もちろんファンだけではなく、球団も入場料収入から一人について50円分を復興資金にチャリティーする。
ファンは球場に行くことが復興支援につながり、球団と選手も一人でも多くのファンを集めることが被災地への具体的な援助へとつながる。昨年は12球団の観客動員は合わせて2214万1003人。単純計算で33億円余りの資金が集まることになるはずだ。
実質的に何をしてくれるのか。被災地が待ち望んでいるのは、明るい活力ではなく、やっぱり食べ物であり、ガソリンであり、復興に向かったときの住むべき家であるはずだ。
それを支援する。
球界としてやらねばならないことは、まずそういうことであるはずだ。