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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「『2位でも獲れた』はナンセンス」なぜ広島は「まさかのドラ1」を“単独指名”した? スカウトが語った「ドラフトは単なる実力番付じゃない」の真意
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byYuki Suenaga
posted2026/11/06 11:03
ドラフト会議で広島が1位指名したのは亜細亜大の山里宝。事前予想を裏切るサプライズ指名だった
それでも今季、亜細亜大の主将を任ぜられた山里選手は、リーグ戦でリードオフマンとして奮闘。
決勝タイムリーに加えて、先頭打者ホームランなんて離れワザもやってのけ、課題といわれていたバッティングにも確かな進境を示していた。
それでも多くの人は「1位」とは思っていなかったのだろう。ドラフト会議の現場はドッと沸いた。
思い出された過去の「サプライズ指名」
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「小深田(大翔、現・楽天、当時・大阪ガス)、1位だと思わなかったでしょう?」
よみがえってきた声があった。
「正直言って、そうです」
私がそう答えたあとの、そのスカウトの方の言葉は痛烈だった。
2019年、ドラフト会議から数日経った、ある球場でのことだった。
「2位でも獲れたって思っているんでしょ。そういう声、多いですもんね。でもね、2位で獲れればいいですよ。でももし万が一、獲れなかったらどうします。現場から『今年は何がなんでもショート!』ってリクエストがあったら、ドラフトは、何がなんでもまずショートなんです。2位でも獲れると思って、もし獲れなかったら、私たちスカウトは、何も仕事をしなかったってことになるんですよ」
頭をガーンとなぐられたような衝撃があって、ドラフトというものの「ホントのところ」を教えていただいた。
この年のドラフト、地元・東北にまたもや現れた超・逸材の佐々木朗希(現ドジャース、当時・大船渡高)を1位指名した東北楽天は、繰り上げ1位に「小深田大翔」という社会人野球の遊撃手を指名していた。
名手といわれた藤田一也選手に長年の疲れが見え、代わりに頑張った茂木栄五郎選手も故障がち。即戦力遊撃手の補強は、当時、東北楽天にとって急務だった。
1位指名で東北楽天に入団した小深田大翔内野手。
今季こそ、一軍出場は86試合にとどまったものの、1年目から昨年までの6年間はずっと遊撃手、二塁手として100試合以上に出場。

