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《カムバック賞から2年連続二桁勝利》大野雄大38歳が語る“こだわりを捨てた先の投球術”とは?「若い頃はピッチングを深く考えていなかった」

posted2026/11/05 11:01

 
《カムバック賞から2年連続二桁勝利》大野雄大38歳が語る“こだわりを捨てた先の投球術”とは?「若い頃はピッチングを深く考えていなかった」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

3度目の全盛期を迎えている大野。カムバック賞受賞の2025年は11勝、2026年も10勝を挙げた

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渕貴之

渕貴之Takayuki Fuchi

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Kiichi Matsumoto

幾多の壁を乗り越えて、地位も名声も手にしたアスリートがなおも挑み続ける理由とは──。大野雄大は、だから今日もマウンドに向かう。

 9月に35歳を迎える2023年4月、中日ドラゴンズの大野雄大は左肘遊離軟骨除去手術を受けた。その年は未勝利、翌年も2勝にとどまったが、2025年には11勝を挙げ、カムバック賞を受賞した。復調の要因は「スラーブ」と呼ばれる遅い球だった。

「ケガするまではほぼ、真っすぐとツーシームの2球種だけで抑えていました。『真っすぐで押せてなんぼ』の投手やったんですけど、年齢とともに平均球速が下がっていくなかで、自分が思い描くピッチングができなくなっていたんです」

 手術の前から、なにかを変える必要があった。だが、リハビリ明けの2024年はまだ、2013年から3年連続二桁勝利を挙げた全盛期のようなスタイルを追い求めていた。

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「『パワーピッチングができんようなったら俺は終わりや』と思いながらやってましたけど、やっぱり結果は出ませんでした。2025年シーズンが始まって、最初の登板はジャイアンツ戦で同い年のマー君(田中将大)と投げあって、4失点して負けたんです」

大野を変えたルーキーのひと言

 いよいよ進退を考えはじめたその時、大野にとっての救世主が現れた。

「キャッチャーの石伊(雄太)がルーキーで入ってきて、ぽぽっと『大野さん、曲がり球いいです、使えますよ』って言ってくれたんです。それだけで投球がガラッと変わりました」

 実戦で石伊とバッテリーを組みはじめ、右バッターにはほとんど投じなかった“曲がり球〞を効果的に使うようになった。

「それまでも投げてはいたんだけど、自信がないから重要な場面で使える球じゃなかったんです。石伊のおかげで第3球種を使えるようになって、やっぱり世界が変わりました。えげつない変化球ではないんですけど、どのカウントでもストライクゾーンに投げられる変化球が1個増えただけで、バッターの反応はぜんぜん違います」

【次ページ】 パワーピッチングへのこだわり

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