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「『2位でも獲れた』はナンセンス」なぜ広島は「まさかのドラ1」を“単独指名”した? スカウトが語った「ドラフトは単なる実力番付じゃない」の真意
posted2026/11/06 11:03
ドラフト会議で広島が1位指名したのは亜細亜大の山里宝。事前予想を裏切るサプライズ指名だった
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Yuki Suenaga
思わず「上手いなぁ」…広島ドラ1の高校時代
山里宝選手を初めて見たのは、彼が神戸国際大附属高の2年生の時。「ほっともっとフィールド神戸」でだった。
なんの予備知識もなしに山里選手のシートノックを見て「上手いなぁ」と、思わずつぶやいてしまったものだ。
ショートを守って、右へ動いても、左へ動いても、全くボディバランスが崩れないフィールディング。二塁ベース上の併殺プレーで、二塁手からの送球が逸れても、難なくさばいて正確な一塁送球でプレーを完結させてしまう。それこそ、当時売り出し中だった広島・菊池涼介選手のような動物的な敏捷性と柔軟性を感じたものだ。
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それが亜細亜大に進んで3年生になった頃から、プレースタイルが変わったように見えた。
天性の才能で奔放に動き回っていたように見えた高校時代のプレーに落ち着きというか、大人っぽさのようなものが加わったように見え始めていた。
無駄に急ごうとし過ぎない、無駄に強く投げようとし過ぎない。場面に応じて、ちょうど頃合いのスピードと出力で打球と向き合うから、まさに安心、安全。なかなかミスをしない。
左回転の動きも、右回転の動きも、フットワークから始動できるメカニズムがあるから、二塁手としても、遊撃手と同等のフィールディングができる。
「天才肌」の雑味が抜けて、高精度の内野手に変貌していた。「大きく1歩、プロに近づいたな」と思ったものだ。
「4番・ショート」の大型遊撃手みたいな派手な存在ではなかったので、メディアに大きな活字で報道されることもほとんどなかった山里選手だったから、今回のドラフトでも誰もが知る「候補」ではなかったと思う。

