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辞意表明にもかかわらずカープ新井監督、来季続投決定…「自分がやるしかない」山積する課題解決に向け5年目のシーズンに求められる伝承と変革
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前原淳Jun Maehara
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2026/09/28 11:02
まさに火中の栗を拾うかたちでの続投となった新井監督
投げる、打つ、走るといったプレー面ではなく、洞察力や判断力、深い思考などを磨く重要性は知将といわれた野村克也氏が重視した点でもある。
広島には経験値の低い選手が多いだけに、言葉でたたき込むのか、それともサインで動かしながら浸透させていくのか。「自分のため」だけでなく「チームのため」にプレーする思考へと昇華させられるかも重要だ。
新井監督は就任した当初から選手の積極性を促すために自主性を重んじ、多少のミスは許容してきた。だが、自主性に委ねたことが、チームの甘さや緩みにつながった側面も否めない。
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試合終盤でのバント失敗や走者の判断ミス、記録に残らないミスに対して、チームとして、もっと厳しく向き合う必要がある。選手個々の意識だけでなく、担当コーチによる導きも欠かせない。失敗を許容して励ますだけが積極性を後押しすることではない。根拠や裏付けとなる気づきを与えることで、精度の高い判断力が養われる。ときには厳しさをもって、チームに緊張感を与えることも必要になる。
伝承と変革の両立
それは一軍、二軍を問わない。新井監督が就任してから4年、コーチングスタッフの顔ぶれに大きな変化はない。現役引退からコーチに就任した新任以外は、石井弘寿一軍投手コーチが新たに加わった程度だ。ただ、広島には生え抜きのコーチが多いという伝統がある。彼らが広島の野球を受け継ぎ、そして伝承していくことには大きな意味がある。
近年はデータによる分析や、人体の仕組みに基づく身体操作など、指導者に求められる知見も深く広くなっている。コーチングスタッフに大きな動きがない中、マンネリや閉塞感を生まないためにも、個々が常にアップデートしていく姿勢が求められる。
5年目の来季は再び、グラウンドの戦いにのみ視線が注がれるシーズンとする必要がある。ファンが求めているのは、結果以上にチームが変わっていくという期待感かもしれない。球団が「有形の力」を上げ、現場は「無形の力」を高める。新井監督の続投は現状維持ではなく、変革を推し進める再出発点なのだ。まだ吹き止まぬ逆風を突き抜けるために、球団も、首脳陣も、選手も、変わっていかなければならない。
