プロ野球PRESSBACK NUMBER

「これがタイガースや!勝ったらあかんのや!」G党→虎党転向の人気漫画家が語る熱狂の50年…日本一より鮮明な一戦、神宮で荒れ狂いテレビ出演も 

text by

佐井陽介

佐井陽介Yosuke Sai

PROFILE

photograph byJIJI PRESS/髙橋ツトム氏提供

posted2026/09/27 11:03

「これがタイガースや!勝ったらあかんのや!」G党→虎党転向の人気漫画家が語る熱狂の50年…日本一より鮮明な一戦、神宮で荒れ狂いテレビ出演も<Number Web> photograph by JIJI PRESS/髙橋ツトム氏提供

6月3日の西武戦で15号2ランを放った阪神・佐藤輝明(左)とその様子を描いた髙橋ツトム氏の作品(右)

“因縁の相手”に「超かっこいい!」

――先生にとっては因縁の相手です。

髙橋 そうです。僕がジャイアンツファンをやめる原因となった、あの江川さんです(笑)。でも、巨人は王さんの記録に並ばせたくないからどうせ全打席敬遠四球にするのだろうと思っていたら、江川さんが真っ向勝負を続けたんです。これは想像でしかないけれど、巨人の中には江川さんに「歩かせろ」と言った人もいたと思います。それなのに堂々と勝負をする姿勢に「超かっこいい!」となって……。結局、バースは5打席目にライトへ場外ホームランを打ちました。あの日、江川さんに対するマイナスの感情は一気にチャラになりました。2人とも超かっこよかった。

――ちなみに大飛球の軌道は記憶に残っていますか?

ADVERTISEMENT

髙橋 後楽園球場は屋外なので、夜空にボールが舞い上がると、その行方をずっと目で追えます。ただ、僕は阪神応援団がいるレフトスタンドで観戦していて、ライトに飛んだ打球をはっきり確認することはできないので、観客席のどこら辺の人たちがボールをよけるかでボールの着弾点を確認するんです。それで誰も打球をよけようとしないから「なんだ、ファウルかよ」なんて思ってグラウンドに目を移したら、バースが悠々と二塁ベースを回っていました。場外への打球だったから観客がボールをよける必要がなかったわけです。あのシーンは本当に超かっこよかった。僕が生で見た試合の中では、あれが生涯一のシーンかもしれません。

荒れ狂い「筑紫哲也NEWS23」に“出演”

――その後、タイガース熱が再び沸騰したタイミングはありましたか?

髙橋 新庄剛志さんがブレークした、いわゆる「亀新フィーバー」の頃ですかね。新庄さんって、遠くにいても分かるんですよ。体形がスラッと細いし、赤いリストバンドでも分かるのですけど、もうなんか体のバネが違う。ちょっと誰かに呼ばれて走っていく時でも重力を感じない。これはスターやなって思いました。

――シーズン最終盤までヤクルトと優勝を争った1992年ですね。あの年は惜しくも最後に優勝を逃しました。

髙橋 実は僕、あの年、「筑紫哲也NEWS23」に出ています。負けて神宮球場で荒れ狂う阪神ファンの1人として(笑)。あのシーズンはあと1勝すれば優勝できそうだというところまでいった。シーズン最終盤の長期ロードに出る時には、甲子園に帰ってくるまでに優勝している、という雰囲気だった。なのに最後の最後、神宮球場の連戦に連敗して首位から陥落してしまって……。

――それで“荒れ狂ってしまった”のですね(笑)。

髙橋 あの時、僕は秋の神宮のチケットを全部買っていて、外野席で入場前に並んでいた時に知り合った就職活動中の青年をうちに泊めたりしました。見ず知らずの大阪の青年だったけれど、「この試合を見たら関西に帰る」というから「明日も見ようぜ」って言って(笑)。でも結局、ヤクルトに負けてしまって……。それもある意味、タイガースっぽいんですけどね(笑)。

――そんな時期を経て、阪神は2000年代に入ると暗黒期を抜け出しました。

【次ページ】 甲子園カレーの列に並んでいる間に……

BACK 1 2 3 4 NEXT
#佐藤輝明
#岡田彰布
#藤川球児
#阪神タイガース
#ランディ・バース
#掛布雅之
#湯浅京己
#立石正広
#王貞治
#長嶋茂雄
#江川卓
#小林繁
#新庄剛志
#金本知憲
#髙橋ツトム

プロ野球の前後の記事

ページトップ