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甲子園の風BACK NUMBER
「野球は続けないつもりでした」全校生徒は約80人…青森の小規模校「たったひとりの野球部員」が目指した“140キロの夢”半年で「球速16キロ増」のナゾを追う
posted2026/08/14 17:01
青森の小さな町にある野辺地高校野球部の「たったひとりの部員」である松舘侑希。厳しい環境にもかかわらず高校トップクラスの140キロを目指した
text by

二瓶祐綺Yuki Nihei
photograph by
野辺地高校野球部提供
近年の高校野球では、「野球強豪校」と呼ばれる高校に多くの選手が集まる一方で、少子化や野球人口減少などの影響による部員不足で、公立校を中心に休部や廃部を余儀なくされる野球部が数多く存在している。
日本高野連の発表によると、第108回全国高等学校野球選手権地方大会において、部員不足による連合チームの参加は全国で421校142チームとなっている。これは5年前の第103回大会の309校107チームと比べると、激増している。また、大会全体の参加チーム総数もおよそ200チーム減少しており、部員不足という問題が深刻化していることが分かる。
青森の小さな港町…「たったひとりの野球部員」が!
青森県立野辺地高校。町の人口約1万人の小さな港町で、全校生徒は約80人。各学年1~2クラスだけの小規模公立校で、この夏、たったひとりの野球部員が青森大会に挑んだ。
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3年生の松舘侑希。投手としては135キロを超えるストレートを持つ。打者としても今年の春大会に連合チームとして出場し、ホームランを放つなど打線の中心を担った選手だ。松舘の入学時には2学年上に1人野球部員がいたものの、彼が卒業した2年時以降はたった1人で活動を続けている。
松舘は小学1年生の頃に野球を始め、中学時代は硬式のクラブチームに所属していた。
ただ、中学時代はチームメイトとの仲が良すぎるあまり、野球そのものよりもチームメイトに会えることが楽しくなってしまったという。結果として練習に身が入らず、試合での出場機会も少なくなってしまった。松舘はそんな中学時代をこう振り返る。
「中学のときからもっと普段のチーム練習や自主練習をしっかりやっていれば良かったなと思っています。試合に出られなかったのも、自分の責任だなと思います」
そんな経緯もあり、高校では野球を続けないつもりだった。高校選びでも野球のことは特に考えず、「地元の高校だから」という理由で野辺地高校を選んだ。

