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「泣くまでボコボコにされた」堂安律の意外な少年時代「あれほどワガママな子は…」ヤンチャ少年の運命を変えたキーマンに聞く「サッカーに救われた人生」
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曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2026/06/29 11:15
攻守両面で日本代表に欠かせない存在となった堂安律。従来の「10番」像を覆すような献身性でチームを牽引している
同時に、いくつかの疑問が浮かぶ。堂安律とは、そもそも強気な発言で知られたプレーヤーではなかったか。自らの個をここまで抑制し、フォア・ザ・チームの重要性を訴えかけ、プレーでそれを体現するようなキャラクターだと、果たしてどれほどのファンが認識していただろうか。流行りの漫画のように「エゴイスト」とは言わないまでも、必要に応じてセルフィッシュになることは、サッカー選手としてのキャリアを豊かにすることと不可分でもある。
ときに感情をストレートに表現しながらも、調和や献身を是とする価値観を持つ。場合によっては、持ち前の得点力や技術の高さが後景に退くほどのハードワークさえいとわない。わかるようでわからない堂安律とは、いったいどんな人間なのか。
「サッカーに救われた人生」
そんな疑問をぶつけるのにうってつけの人物がいる。3歳年長の兄、堂安憂さんだ。J3のAC長野パルセイロなどでプレーし、2020年かぎりで現役を退いた。現在は地元の兵庫県尼崎市でサッカースクール「NEXT10 FOOTBALL LAB」を運営している。
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「僕と律は、サッカーに救われた人生だったと思います。ふたりともヤンチャというか、好き勝手なことをする子どもだったので。母にもよく言われるんですよ。歯止めがきいたのは、サッカーがあったからやって」
長男の麿さん、5つ離れた次男の憂さん、そして末っ子の律による堂安三兄弟は、全員が少年時代からサッカーに打ち込んだ。コミュニケーションの中心には常にサッカーがあった。年の離れた長兄・麿さんから憂さんが影響を受け、次いで律が憂さんの背中を追った。律の著書『俺しかいない』(集英社)には、「3つ上の憂が俺のアイドルだった」と兄に挑みつづけた日々の記憶が率直に綴られている。
《小さいころは毎日、近所の公園で一緒にサッカーをして、泣くまでボコボコにされた。兄貴にはどうやっても勝てなかったけど、俺は根っからの負けず嫌いだから、何度も何度もこりずに勝負を挑んだ。》堂安律『俺しかいない』(集英社)より
原点は兄との“公園サッカー”
憂さんの証言も、この記述を裏付ける。
「小学生のころはほぼ毎日、朝か夕方に2人で1対1をやってましたね。大物駅の近くの小田南公園にコーンを置いて、簡単なゴールを作って。今は阪神タイガースの二軍施設(ゼロカーボンベースボールパーク)になっちゃいましたけど。泣くまでボコボコにした? たしかにそうかも(笑)。帰り道ではよくケンカしてました」


