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「南野拓実なら外さない。これ、勝てるぞ」カタールW杯・森保ジャパンの名参謀が語った“PK戦の誤算”「森保さんがPK戦で負けるのを見たことがなかった」

posted2026/06/29 11:03

 
「南野拓実なら外さない。これ、勝てるぞ」カタールW杯・森保ジャパンの名参謀が語った“PK戦の誤算”「森保さんがPK戦で負けるのを見たことがなかった」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

カタールW杯クロアチア戦のPK戦で1人目のキッカーとしてペナルティエリアに立った南野拓実

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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Kiichi Matsumoto/JMPA

 日本代表はW杯で過去4度、ラウンド16で敗退している。その内の2度がPK戦だった。PKは運か実力か――。「PKを外した男」を通してW杯とPKについて考えてみたい。
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「南野は本当にうまかった」

 '22年12月4日、日本代表は翌日に迫ったカタールW杯ラウンド16・クロアチア戦に向けた練習を行った。相手を想定した戦術、セットプレーを確認したら、仕上げはもちろんあれだ。

 12年前の岡田ジャパンと同じくPK練習が始まった。1選手1本限定。本番の緊張感をイメージしながら、全員が集中してボールを蹴り込む。

 横内は、その結果をメモしていた。誰が、どこへ蹴り、成功したのか、失敗したのか。その中に1人、印象的な選手がいた。彼は、狙うのが難しいゴール「右上」のコースに度胸満点、ずばっと突き刺した。

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「(南野)拓実は本当にうまいなと思いながら見ていました。PKだけじゃなく、オープンプレー時のシュートもそうですけど、狙ったところにしっかり決められるし、GKの逆を突く技術も持っている。ヨーロッパのビッグクラブで場数も踏んでいますからね。メンタルも強い。正直、拓実が外すイメージはなかった」

 岡田監督がPK戦のキッカーと順番を指名した12年前とは異なり、森保ジャパンでは「立候補制」が採用されていた。指揮官の呼びかけに対して、自ら手を挙げた選手に、命運を託す。

森保監督は「PK戦オーダーのメモ」を受け取らず

 ただし、万が一に備えて次善の策を準備しておくのも、参謀の役割である。翌日のクロアチア戦は1-1で前後半の90分を終えた。ベンチの横内は、すぐさま齊藤俊秀、上野優作の両コーチに指示を送った。

「昨日の練習の結果を参考にして、PK戦のオーダーを組んでおいてくれ」

 延長戦でも勝者は決まらなかった。主審が終了の笛を鳴らした直後、横内は上野からメモを受け取った。森保監督のそばへ寄り「仮オーダー」の存在を伝える。しかし、指揮官がそれを受け取ることはなかった。

 日本のベンチ前に選手・スタッフ全員が集まってつくった輪の中心で、当初の予定どおり、森保監督が問いかけた。

「1番手、誰が蹴る?」

 一瞬の沈黙の後、一人の右手が挙がった。

「俺、いきます」

「拓実なら外さない。これ、勝てるぞ」

 南野だった。この宣言を皮切りに、勇気あるキッカーが次々と名乗りを上げた。

 2番・三笘薫
 3番・浅野拓磨
 4番・吉田麻也
 5番・遠藤(わたる)

 この光景を見て、横内は予感した。

【次ページ】 PK戦は「運」か「実力」か

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