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「こんな久保建英は見たことがない…」W杯現地カメラマンが撮影していた“試合前の異変”…負傷後には“驚きの行動”も「報われる瞬間を撮りたい」
text by

原壮史Masashi Hara
photograph byMasashi Hara
posted2026/06/17 11:08
オランダ戦で左膝を負傷し、ピッチサイドに座り込む久保建英。過去にないほどの熱量でこの試合に臨んでいた
負傷の直後「顔を覆い、一瞬、悔しさをあらわに」
しかし、今の日本はそんなありきたりな顛末で崩壊するようなチームではなかった。
最終ラインのファンダイクの前でアンカーとして働くフレンキー・デヨングの存在が、日本がなかなか高い位置でトランジションを実現できない要因になっていた。だが、鎌田大地が両サイドにボールを動かし、左に流れた久保がデヨングの脇を使って進むことが両立すると、ついにペースを掴み、攻撃の時間が到来した。
57分、左サイドの中村敬斗と久保のコンビネーションで、鮮やかな同点ゴールが生まれる。前回大会でスペインとドイツを、さらに今大会までにブラジルやイングランドを撃破してきたチームがその底力を示すと、中立のファンも多いスタジアム全体の雰囲気は大きく日本に傾いた。
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ところが、アクシデントが発生してしまう。
オランダに再びリードを許したことではない。クリセンシオ・サマーフィルの左足で再度1点ビハインドになっても、「この日本は簡単には終わらない」という自信を、ここまでの戦いぶりから受け取っていたからだ。
痛恨だったアクシデントとは、デンゼル・ダンフリースの強烈なチャージで久保が負傷してしまったことだった。
その光景は、EURO2016の決勝戦を思い出させた。悲願の初優勝に王手をかけたポルトガルが前半でクリスティアーノ・ロナウドを失った場面と、倒れ方が似ていたからだ。
そのポルトガルは優勝を果たしたが、状況が大きく異なる日本にとっては何の慰めにもならない。今の日本は南野拓実、三笘薫、そして遠藤航と、すでに中心メンバーを3人も失ったチームなのだ。W杯初戦で久保まで欠くことになってしまうのはあまりにも痛い。そう思わざるを得なかった。
1点を追いかける状況で倒れたまま顔を覆う久保の姿は、プレー可能な状態ではないという現実を見ている者に突きつけた。
久保は顔を覆ったこと以外はつとめて冷静に振る舞い、自力で立ち上がってピッチの外へ向かった。バックスタンドに沿ってピッチに背を向けた瞬間、看板を叩いて悔しがる仕草を見せたが、再び冷静な久保に戻り、少し走って足の感覚を確かめた後、自ら指を回して交代を要求した。




