サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
森保監督の大胆采配「右サイド総入れ替え」は戦況をどう変えたのか? オランダ戦後の重要証言「強みをどんどん使って…」“勝ち点1”だけではない収穫
text by

戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2026/06/16 11:30
鎌田大地の同点ゴールを生み出した小川航基。右サイドの“総入れ替え”が勝ち点1の伏線となった
小川航基「どれだけ大きいDFがいようが…」
88分、内側のレーンでパスを受けた菅原が、右サイドのスペースへスルーパスを通す。ペナルティエリア内右で伊東が反応するが、中央へのクロスは相手DFにカットされた。
このプレーで右CKを得る。3度目のキックとなるこのシーンで、伊東はマイナスへボールを供給した。
「1本目はファーで2本目はニアに蹴って、シンプルに上げるだけじゃダメだったんで、マイナスに少し早い落ちるボールを蹴って。小川はあそこから決めるのが得意なんで、いい形で合ったんじゃないかなと」
ADVERTISEMENT
オランダのゾーンディフェンスの間で、小川がヘディングで合わせる。鎌田大地の頭に触れて軌道が変わったボールが、ゴールネットを揺らした。
「純也くんのボールがホントに良くて。相手のゾーンディフェンスを見た時にやっぱり高くて、あそこからしかゴールは生まれなそうだなってところへ走り込んで、純也くんもそれも分かっていて、意思疎通がありました」
小川がクロスを評価すれば、伊東はタイミングをたたえる。
「クロスに入ってくるタイミング、クロスの合わせ方が上手い選手なんで」
小川が合わせた「点」は、フィルジル・ファンダイクとヤンポール・ファンヘッケの「間」である。195cmと189cmの「間」で、186cmが空中戦を制したのだった。
「どれだけ大きいDFがいようが、いいところに、いいタイミングでボールが入ってきて、自分がいいタイミングで入り込めれば、今日みたいに高いDFラインの中でもしっかりとゴールが取れる。ゾーンの間のウィークポイントはあるので、そこをしっかりつけたのかな、と」
ともにレフティーの久保と堂安が構成する右サイドは、ゴールへ向かっていくインスイングのクロスがメインになる。縦突破から右足でクロスを供給することもあるが、右利きの伊東や菅原が右足で入れるクロスのほうが、精度、球速、バリエーションといったもので上回る。また、右サイドからのインスイングのクロスは「点」で合わせるイメージだが、右足で供給するアウトスイングはパワーを持って飛び込める。鎌田のゴールを生んだ小川のヘディングのように、である。

