オリンピックPRESSBACK NUMBER

「学業や仕事、結婚、出産などで…」「競技をあきらめなくていい環境を」フォルティウス船山弓枝コーチが描く日本カーリング界の未来図とは 

text by

石川仁美(Number編集部)

石川仁美(Number編集部)Hitomi Ishikawa

PROFILE

photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA

posted2026/06/10 17:05

「学業や仕事、結婚、出産などで…」「競技をあきらめなくていい環境を」フォルティウス船山弓枝コーチが描く日本カーリング界の未来図とは<Number Web> photograph by Tsutomu Kishimoto/JMPA

「氷を読む事はカーリング技術の1つで、やはり重要なのはアイスリーディングです。今回は不規則なアイスを読み切れず、思うようなショットメイクができませんでした。負けた試合の中には、石が半個後ろであれば、わずかに曲がっていれば、1つのエンドだけが、という試合もありました。細かい部分で明暗を分ける、それがトップクラスの戦いですので紙一重の部分を制する必要性も感じています」

――今回の困難も次への必要なステップということでしょうか。

「はい、そう思います。本当に大きな経験になりました。そういう意味では5連敗で迎えた最終戦の中国戦はチームの良さが出せた試合だったと思います。これまで積み重ねてきたものを整理して、自分たちをコントロールして試合に向き合ったことが勝ちにつながりました。フォルティウスの強みは粘り強さです。オリンピックは全てが困難ではなかったと思いますし、これまでもたくさんの困難を楽しんで乗り越えてきました。さらなる伸びしろもあると思っていますので、経験を必ず糧にして良い結果につなげていけると信じています」

学業や結婚、出産でカーリングをあきらめなくていいのが

ADVERTISEMENT

――日本のカーリング界と世界との距離感をどのように捉えていますか。

「日本のレベルも年々高くなってきて、世界のトップ集団に入るチームが4つ、5つとあるので、いいフェーズには入ってきていると思います。昨年と今回の日本選手権の様にアリーナで開催される大会が国内で増えればいいなと思っていますね。海外のように曲がり変化の大きいアイスへの対応能力を養えば、もっと世界で戦えるはずです」

――船山さんは選手を引退してカーリングから離れるっていう選択肢もあったと思いますが、コーチとして携わり続けている理由は何なのでしょうか。

「フォルティウスのメンバーとオリンピックに行きたいという思いがスタートです。選手の成長を感じたりとか、私を頼ってくれたりするとやりがいを感じます。誇れるものがある、みんなで築き上げている感覚が持てるチームなので、この良さをみなさんに知ってもらいたいです」

――以前、選手時代に成し得なかったことを形にするためにコーチを続けていると話されていましたが、成し得なかったものとは何でしょうか。

「選手の時代は叶わなかったので、コーチとしてメダルの獲得に貢献したいという思いがあります。加えて、競技環境を良くしたいという思いも強いです。学業や仕事、結婚、出産など環境の変化で選択を迫られた時にも、カーリングをあきらめなくていいのが理想だと思っています」

家族の理解を得て最善を尽くしながら

――そういう意味では吉村選手の出産はチームにとっても一つのキーポイントだったのでしょうか。

【次ページ】 小笠原さんと…どこか懐かしさを

BACK 1 2 3 NEXT
#フォルティウス
#吉村紗也香
#小野寺佳歩
#近江谷杏菜
#船山弓枝
#ミラノ・コルティナ五輪

冬季スポーツの前後の記事

ページトップ