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「部活後は何するの?」「塾です」“偏差値66の公立進学校”で指導者に、元プロ野球選手が感じた“難しさ”…大和が今明かす、DeNA退団後に考えたキャリア
text by

佐井陽介Yosuke Sai
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/06/01 11:01
神奈川の公立進学校、光陵高校の野球部でインストラクターを務める現在の大和さん
指導で大和が心がけている“距離感”
5月のゴールデンウイーク明け。大和と部員の間にはまだ少しばかり距離があった。雲の上の存在に違いなかった元プロ野球選手が突然、目の前に現れたのだ。部活動の1つとして硬式野球部を選んだだけの生徒たちが戸惑い、緊張するのも無理はない。一方、大和は大和で対話を強要するわけでもなく、彼らの動きを後方から静かに見守り続けていた。
「今は自分主導でバンバン指導しないようにしています。もちろん気になることがあったら声をかけますけど、基本的には子供たちが聞いてきたことに対して答えています。自分から教えるだけなら簡単ですけど、子供たちの成長を考えたら、まずは子供たちに考えさせないといけないと思っているので。実際、就任した直後はキャプテンの子が『どういう風に捕球したらいいですか?』『どういう風に打てばいいですか?』と早速聞いてきてくれました。『教えてください』と言ってくれる部員の数も徐々に増えてきています」
この日、大和は数人の外野手にノックを打ったあと、捕球から送球までの流れを身振り手振りでレクチャーしていた。内野ノック、打撃練習の途中にも部員と話し合う姿があった。
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「今はYouTubeなどでも簡単に情報を仕入れられる時代。指導者が頭ごなしに『あれをやれ、これをやれ』と言ったところで、子供の頭には『なぜ?』が残ってしまう。この『なぜ?』の答えにつながるヒントを教えていくのが自分の仕事なのかなと思っています。みんな、素直に聞いてくれますよ。僕が質問に答えたら目を輝かせて聞いてくれるから、こちらも嬉しくなってしまいます」
大和は練習時間の終盤、沈みかけている夕日に顔を照らされながらニッコリ微笑んだ。
ジャージ姿は、だいぶ細身になった
ただ、その立ち姿にはやや違和感が残る。ピンと背筋を伸ばした姿勢は、現役時代と変わらず美しい。一方でジャージ姿が以前よりもだいぶ細身に感じられるのには、訳がある。
本格的に再スタートを切った今であれば、もう明かしてもいいのかもしれない。
後日、大和はこれまで公にしてこなかった壮絶な体験を静かに振り返り始めた。《つづく》

