猛牛のささやきBACK NUMBER
「突然腕が振れなくなって」20歳のオリックス右腕を襲った“イップス”の悪夢「漁師か動物園の飼育員に…」一度は諦めかけた野球人生の大逆転秘話
posted2026/05/03 11:00
ウエスタンリーグで先発する佐野皓大投手(2015年)
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
SANKEI SHIMBUN
昨シーズン限りで現役引退したオリックスの佐野皓大さん。投手としてスタートしたプロ生活では、イップスとの闘いや野手コンバートなど様々なことを乗り越えてきた。波乱万丈の現役生活、仲が良かった山本由伸投手(現・ドジャース)のこと、引退決断とセカンドキャリアへの思い……。今シーズンから二軍のサブマネージャーを務める佐野さんに聞いた。〈全3回の1回目/つづきを読む〉
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投手から内野手、外野手、そして右打者からスイッチヒッターへ。
プロの世界でこれだけ多くの変化に対応した選手はなかなかいないだろう。オリックスの佐野皓大は、昨年、そんな11年間のプロ生活に幕を下ろした。
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「いろんなことに挑戦できて、ありがたかったですね。なかなかできることじゃないので」
現在、二軍のサブマネージャーを務める佐野は、柔和な笑顔で振り返った。
プロ3年目に見舞われた「悪夢」
様々な立場で過ごした11年間で一番印象に残っていることは、と尋ねると、「うーん」と少しだけ考えて、佐野が最初に挙げたのは、野球人生を変えた苦い記憶だった。
「一番に思い出すのは、3年目の5月ぐらいに行った三原の球場で、ブルペンで投げていたらボールがネットの上に行って……そこからイップスになった記憶ですね」

