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「1年生、スピードあります。ただ…」“打倒・王者青学”は成るか? 早大“山の名探偵”が語る箱根駅伝と超ルーキー…大学で急成長の理由は「考える力」
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生島淳Jun Ikushima
photograph byShiro Miyake
posted2026/04/28 06:02
実力派ルーキーや下級生の存在もあり、今季は箱根駅伝でも優勝候補の一角に挙げられる早大。その主軸を担う“山の名探偵”はチームをどう見ているのだろうか
大学で、特に早稲田で成長できるタイプとは、コミュニケーション力があること、考えられること――そして「ひとりで練習できること」だと工藤は話す。
「去年のキャプテンの山口智規さん(現SGH)は、4年生になってから自分ひとりで内容の濃い練習をきっちりやっていた印象です。そうしたらトラックの1500mから箱根駅伝の2区まで、すべて結果を残しましたからね。要は自分に必要な練習が分かって、それを実行できること。自律というか、律する力がある選手は成長できるチームだと思います」
では、今年の早稲田の選手たちは、どこまで成長できるだろうか?
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スピードのある下級生がいて、そして山上りには工藤がいることで、箱根では「打倒・青学」の一番手に挙げられることになりそうだし、工藤も「今年」の重要性を痛感している。
「今年勝てなかったら厳しくなるのかな、と思っています。トラックのスピードがある強い1年生が入学してきて、期待値は上がっていると思いますが、自分のような『ロングエース』がいるうちがチャンスだと思うんですよね。
自分の場合、2年生になってからは駅伝ではすべて区間3位以内でまとめられていますし、今年は自分の走りが優勝につながればいいなと思っています」
才能豊かな下級生たち…期待値は高いが?
駅伝はあくまで団体戦だが、今年の早稲田は才能豊かな選手がひしめいている。
前回の箱根駅伝4区で区間賞を獲得した鈴木琉胤は、4月の金栗記念で5000m13分20秒64と自己記録を更新、同じレースで入学したばかりの増子陽太が13分22秒87のU20日本新記録をマーク。
さらには、ロードの1マイルの日本記録を3月に出した本田桜二郎(鳥取城北)、昨年のインターハイで、33年ぶりに日本人として5000mで優勝した新妻遼己(西脇工)という有望株が入学してきたこともあり、早稲田への期待が高まっている。
ただし、工藤は冷静な視点を崩さない。

