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大谷翔平が完敗「11打数ノーヒット6三振」…星野仙一が笑った「大谷に注目してるわけじゃないだろ」日本ハム1年目大谷が苦手だった“大物ピッチャー”
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中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byNanae Suzuki
posted2026/04/12 11:05
日本ハム時代の大谷翔平
「それは現役のうちは分からないですし、そういった感覚になることはないと思います。その成功などは本当に周囲の方々に判断していただければいいことだと思います。ここまでいったらとかでなく、どんなときももっと上に、もっと上にという気持ち、そして覚悟を持ってこれからもやっていきたいです」(『週刊ベースボール』2013年7月22日号)
当時は初めてのシーズンを終えてなお、中途半端にやるくらいなら早くどちらかに絞るべきという声もあったが、今にして思えば、二刀流のパイオニアとして大きな意味を持つ、偉大な第一歩となるシーズンだった。
大谷がプロ初勝利を挙げた2013年6月1日。中日戦の試合後、札幌ドームの監督室前で吉村浩チーム統括本部長が栗山監督に向かって、こう声をかけたという。
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「今日のゲームの意味が本当にわかってもらえるのは50年後かもしれない。でも、監督、50年後に翔平の二刀流は、このゲームは、必ず歴史になります」
その後、大谷は投打の柱として、2016年に日本ハムを10年ぶりの日本一に導くと、翌17年限りで北海道を去り、ロサンゼルス・エンゼルスへ。史上初の投打ダブル規定クリア。MLBアジア人初の本塁打王。侍ジャパンでのWBC制覇。前人未到の同一シーズン10勝・40本塁打。ドジャース移籍後のワールドシリーズ連覇。メジャー新記録の50本塁打・50盗塁。3年連続満票でのアメリカン・リーグMVP――。伝説は、いまだ現在進行形で続いている。現時点ですでに、大谷翔平が歩んだキャリアは野球の歴史そのものだ。
そのすべてはプロ1年目の分岐点、逆風の中での「二刀流挑戦」から始まったのである。
《大谷翔平の1年目成績:
【投手】13試合/3勝0敗/防御率4・23/61・2回/46奪三振
【打者】77試合/・238(189打数45安打)/3本/20打点/4盗塁/OPS・660》
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