テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「ムネは要所要所で連絡を」ドジャース大谷翔平が登板直後、村上宗隆と岡本和真を思いやり…相手チーム約20人が“熱視線”フリー打撃で感覚のズレ修正
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNaoyuki Yanagihara
posted2026/04/09 11:01
ガーディアンズ戦後、取材に応じる大谷翔平。投手として2022年以来となる規定回数到達を目指すシーズンとなる
「(4月に)ブルージェイズとやるのでうれしい。ムネ(村上)も要所要所で連絡はくれる。聞かれたことには答えたい。まず健康で終えられれば、2人にとっても良いシーズンになる」
その2人とも既にシーズン初アーチを打っている。次は先輩である大谷の番だ。
ここで大谷が理想形に掲げた22年について振り返っておきたい。
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投手で28試合、166回を投げ15勝9敗、防御率2.33、219奪三振。打者で157試合、666打席に立ち打率.273、34本塁打、95打点。投打でダブル規定到達という前人未到の快挙を果たしたが、MVP投票はア・リーグ新の62本塁打を放ったヤンキースのアーロン・ジャッジが1位票を28票集め、当時エンゼルスの大谷は2票。大差で敗れたとはいえ、その28人全員が2位票は大谷という完全な一騎打ちだった。
ただ、ダブル規定到達はこれが最初で最後となる可能性すらある壁の高い記録で、過小評価されていないか——当時も今も私は疑問に思っている。当時の大谷も「安定して出ればどちらもいける範囲の数字とは認識したが、無理して狙うことではないというのが率直なところ」と目指すことによる負担の大きさを吐露していた。番記者という立場を差し引いても、MVPに相応しい前人未到のパフォーマンスだったと今でも思っている。
これまで右肘を2度手術している大谷は既に“3度目の可能性”に否定的な見解を示している。今年の7月で32歳を迎える。手術後のリハビリに1年を費やすことは現実的ではないとみているからだ。ドジャースとの契約は8年残っている。ダブル規定到達が“最初で最後となる可能性”という私の見立てを覆し、サイ・ヤング賞はもちろん、バリー・ボンズが保持する7度受賞の最多記録を更新してほしい。夢を超える現実を、まだまだ見たい。
大谷がフリー打撃…取り組んだ「感覚のズレ」の修正
《4月1日 ガーディアンズ戦(ユニクロフィールド・アット・ドジャースタジアム)●1-4》
大谷が本来の調子ではないという以外は、全く予兆がなかった。
午後3時。練習着姿の大谷がバットを持ってグラウンドに現れると、日米報道陣がざわついた。大谷はグラブではなくバットを持っていた。
屋外でフリー打撃を行うのは3月14日のWBC準々決勝・ベネズエラ戦の試合前以来18日ぶりで、レギュラーシーズンに限れば、右脇腹を痛めたエンゼルス在籍時の23年9月4日オリオールズ戦の試合前以来、940日ぶりだった。

