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「あんな選手は世界にいない」競泳日本選手権で“17歳が3冠達成”の衝撃…でも笑顔ナシだった理由は? “北島超え”高校生は「日本の救世主」になれるか

posted2026/04/05 11:01

 
「あんな選手は世界にいない」競泳日本選手権で“17歳が3冠達成”の衝撃…でも笑顔ナシだった理由は? “北島超え”高校生は「日本の救世主」になれるか<Number Web> photograph by JIJI PRESS

3月に行われた競泳の日本選手権で平泳ぎ3冠を達成した17歳の大橋信。100mでは日本新記録もマークした

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折山淑美

折山淑美Toshimi Oriyama

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 3月19日から行われていた競泳の日本選手権。主役に躍り出たのは、17歳の若きスイマーだった。

 初日の男子100m平泳ぎで日本記録を0秒11更新する58秒67の好タイムで優勝したのが、高校2年生(当時)の大橋信(枚方SS/四條畷学園高)だった。

「前半が少し遅かった。(前半の)ベストラップが27秒3だったので、それで行ければ58秒4台で泳げると思っていたので……悔しいですね」

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 翌日の50mも26秒98の高校新記録で優勝したものの、「26秒95の世界ジュニア記録更新を狙っていたので、悔しいです」と話してこの日も笑顔は見せなかった。

 極めつきは3日目の200m決勝だ。

 世界選手権で3度のメダル獲得を誇る渡辺一平(TOYOTA)をはじめ、年長の代表経験者が居並ぶ中で、前半の100mを覃海洋(中国)が持つ世界記録の通過ラップより0秒86も速い驚異的なタイムで突っ込んだのだ。そのまま150mまでは世界記録ペースを上回っていた。最後は失速し、2分06秒59でのフィニッシュは日本記録に0秒19届かなかったとはいえ、弱冠17歳での3冠達成となった。

高校生で日本選手権3冠の衝撃…それでも笑顔はナシ

 それでも大橋の表情には、前の2種目と同じで笑顔はなかった。

「前半を59秒台で入れて自己ベストも出せたのは嬉しいですけど、日本記録が出なかったのは悔しいです。特にラスト50mは場内アナウンスの声や、会場でみんなが応援してくれる声もぜんぶ聞こえたんですが、それを力に換えきれなかった。残り75mぐらいからどんどん体がきつくなってきて、最後はほぼ力が出ない感じで泳いでいました。それでもバテ過ぎなかったというか、明らかにおかしいタイムにはならなかったので……そこはまあ良かったなと思います」

 指導する太田伸コーチは、愛弟子の泳ぎをこう評価した。

「予選の泳ぎはあまり良くなかったので、決勝はどうするのかなと思っていました。予選の前に出してきたノートには、『決勝は(前半を)59秒台でいく』と書いていたので、その考えは変わらなかったみたいです。本人が『世界記録を狙いたい』と言っているので、近いところに行くには一回チャレンジしてみるのはいいかなと思います。もう少し前半を抑えていたら日本記録はでたと思いますけど、本人が目標はそこではないという感じなので。今は勢いがあるから行きたい、と思っているのだと思います」

【次ページ】 急激な進化を生んだ「悔しさ」

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