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ネトフリ独占だけでなく、大谷翔平が投げられず審判は米国人だらけ…WBC運営に“2大会連続マイアミ観戦”ブラジル在住記者が抱き続ける違和感 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2026/03/29 17:02

ネトフリ独占だけでなく、大谷翔平が投げられず審判は米国人だらけ…WBC運営に“2大会連続マイアミ観戦”ブラジル在住記者が抱き続ける違和感<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

大谷翔平がラストバッターとなった今大会のWBCだが、ブラジル在住日本人が感じた今大会での所感とは

 また選手本人が、シーズンをより良い状態で迎えるため出場を辞退することがある。さらには大谷のように投手としての出場を控えたり、アメリカのタリック・スクバル(2024年と25年のサイ・ヤング賞)のように1試合出場しただけで所属球団のスプリングトレーニングへ戻る、というケースが起こる。

じつは米国も決勝で絶対的クローザーを起用せず

 アメリカは、決勝戦で2−2で迎えた9回に本来であれば絶対的なクローザーのメイソン・ミラー投手を起用してしかるべきだった。しかし、ミラーが所属するパドレスは「リードしている状況以外では投げさせない」という条件付きで出場を認めたとされ、別の投手が登板してベネズエラに得点を許した。これが決勝点となり、アメリカは優勝を逃した。

 日本の井端弘和監督も、「もし大谷を投手としても起用していいのであれば、先発させていた」と言明している。

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 要するに、誰もがフリーハンドで出場できる真の代表世界一決定戦となっていない。現状では〈まだ調整段階にある選手たちが、本来は存在しないルールに守られたり縛られたりしながら参加する春先の国際大会〉なのである。もちろん、出場する選手たちは国の名誉を担って懸命にプレーするのではあるが……。

 理想を言えば――W杯が代表チームの世界一決定戦と認識されているように――MLBがWBCをワールドシリーズと同等かそれ以上の価値を持つ大会と位置付け、ワールドシリーズの後に開催するのが望ましい。

 しかし、MLBはレギュラーシーズンだけで年間162試合あり、ポストシーズンが終わるのは11月初めとなる。それからWBCを行なうのは、選手にとっては心身両面で負担が大きい。

 そこで、7月にオールスターゲーム中断期間に準々決勝以降の試合を行なうプランがあるという。これならば出場する選手へのリスクと制約が激減し、大会のレベルが向上するから注目度がさらに高まり、興行面でもより大きな成功を収めるに違いない。

世界的普及を目指すなら“開催地問題”が

 MLBが本気で野球の世界的普及を目指しているのであれば――開催地についても考えるべきだろう。

〈2023年大会〉
1次ラウンド:アメリカ2カ所(マイアミとフェニックス)、日本、台湾
準々決勝:マイアミ、東京で2試合ずつ
準決勝以降:すべてマイアミ

〈2026年大会〉
1次ラウンド:アメリカ2カ所(マイアミとヒューストン)、日本、プエルトリコ
準々決勝:マイアミとヒューストンで2試合ずつ
準決勝以降:すべてマイアミ

【次ページ】 なぜ各プール最後の試合が“同時スタート”ではないのか

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