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「トヨタとの提携でスピード感が上がる」小松礼雄ハースF1代表の“ジャイアントキリング”戦略「400人規模でも、全員が力を出し切れるチームに」 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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photograph byAsami Enomoto

posted2026/03/27 11:03

「トヨタとの提携でスピード感が上がる」小松礼雄ハースF1代表の“ジャイアントキリング”戦略「400人規模でも、全員が力を出し切れるチームに」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

ビッグチームの半数以下の規模のハースが上位陣と渡り合うために必要なこととは。小松代表がその組織論を語る

——チーム代表として今季目指すことも今の話の延長線上にあるんでしょうか?

「僕が代表に就任した当時、一番の課題に感じていたのは、シーズン中に開発ができないことでした。まずは、それができるように技術陣と組織内のコミュニケーションを整備した。昨年のイギリスGPの時点で、現状の規模ではできるようになったと判断しました。じゃあ次のステップは? と考えると、設備や環境の整備だった。だから今はチームとしてより機能することに意識を向けているんです」

車のみならず組織全体の精度を高める

——目標は具体的な順位というよりも、個々人の、そして組織のパフォーマンスを最大化することにあると。

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「去年はコンストラクターズ8位でした。でも、車の速さだけを考えたら絶対に6位になれたと思います。それがなぜ果たせなかったかというと、原因は現場のオペレーションの精度が足りなかったからです。今年はそこを高めないといけない。

 特に新レギュレーションではエネルギー回生に依存するところがすごく大きいので、現場のオペレーションのボロが大きく結果に響くわけですよ。開幕戦でも、フリー走行の金曜日のオペレーションはひどいレベルでした。でも、予選やレースではなんとか及第点までもってこられた。それを最低ラインにしてもっと高めていかないと、この先、大きなポイントを取りこぼしかねません」

——個々のスタッフに十二分に力を発揮させるのは、マシンをアップデートするのとは違う難しさがあるような気がします。

「もちろんそうなんですが、話していることは一緒なんですよね。まずは目標を明らかにし、その目標に向かっていく戦略を明らかにする。それを示したら、コミュニケーションをとる。

 予選の前に使える時間は3時間しかありません。だから、とにかく物事に優先順位をつけて臨む。ある程度手順が定まっていた昨年までとは勝手が違うので、週末の目標から逆算して各セッション、各ランごとにやるべきことのプライオリティをつけます。1回目の周回ですべてこなせたらスムーズに次の段階に進めますが、そうでなければ2回目の周回にもその目的が食い込んでくる。となると周回の形態も変わるし、燃料搭載量だって変わってくる。

 だからとにかくプライオリティを明確に、そしてシンプルに。簡素化して基本に忠実にやるってことですよ。チームとしての目標は、まずそこを達成することですね」

 日本GP前には世界で愛されるゴジラとのコラボレーションを発表したハース。鈴鹿にもゴジラをモチーフにした特別リバリーで臨む。小松の思惑通りにチーム強化が進んでいけば、近づくゴジラの足音さながらにハースの存在感もどんどん高まっていくのかもしれない。

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「“人工的”に追い抜ければいいってもんじゃない」ハース小松礼雄代表が今季の“マリオカート”F1に提言「ルールはどんどん改善されるでしょう」

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