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「トヨタとの提携でスピード感が上がる」小松礼雄ハースF1代表の“ジャイアントキリング”戦略「400人規模でも、全員が力を出し切れるチームに」
text by

雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byAsami Enomoto
posted2026/03/27 11:03
ビッグチームの半数以下の規模のハースが上位陣と渡り合うために必要なこととは。小松代表がその組織論を語る
——トヨタと一緒になって、ハースのファクトリーがあるイギリス・バンベリーにシミュレーターを作っているところですよね。自前のものがあれば、また確度も変わってくるのでしょうか。
「すぐにフェラーリのシミュレーターと同じレベルでできるかは、実際にやってみないとわかりません。ただ、フェラーリのものは他のカスタマーも使っているので、僕らの利用機会は自ずと限られます。しかも所在地はイタリアのマラネロ。うちのスタッフもそこにはいますが、シミュレーターを使うような人間はほぼイギリスにいる。使うたびに人を送る必要があって大変なんです。
トヨタと一緒に作っているものがバンベリーの工場で使えるようになれば、自由度が高まるし、人員や物流、もちろんお金の面でもメリットは大きい。一気に効率も精度も上がるし、さまざまな面でスピード感が上がってくるでしょう。できれば今年の初めから使いたかったんですが、やはりちょっと間に合わなくて、たぶん稼働するのは夏以降。そこはトヨタとの提携の大きなところの1つですね。今はフェラーリのシミュレーターを使いながら、トヨタとのシミュレーターも開発して、設置するというプロジェクトを同時に進めないといけない。大変ですけど、やらざるを得ません」
チーム創設当初からの変化
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——トヨタともがっちりと手を組み、フェラーリやダラーラとも協力関係は続いています。そのあたりのバランス、舵取りはどのように考えているのでしょう。
「まずハースの土台となっているのは、フェラーリなわけですよ。うちのチームはフェラーリがいないと成り立っていない。10年前の設立当初、『新チームとして成績を出すためにどうするか』と考えて、パフォーマンスに関わる部分に集中することにしました。当時、結果に一番影響するのは空力。限られた人員をそこに割いて、他チームから購入が許されているものは全部買おうという方針だったんです。おかげで僕らはデビュー戦からポイントを稼ぐことができました」

