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「トヨタとの提携でスピード感が上がる」小松礼雄ハースF1代表の“ジャイアントキリング”戦略「400人規模でも、全員が力を出し切れるチームに」
posted2026/03/27 11:03
ビッグチームの半数以下の規模のハースが上位陣と渡り合うために必要なこととは。小松代表がその組織論を語る
text by

雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Asami Enomoto
2026年のF1で、小松礼雄代表が率いるハースは2戦終了時点でメルセデス、フェラーリ、マクラーレンといった名門に次いでコンストラクターズランキング4位につけている。
2月のバーレーンテストからメルセデスに次ぐ周回数を重ね、好調ぶりを示していたが、それは偶然ではなかった。各チームがさまざまなトラブルに見舞われる中、ハースは2人のドライバーが2戦ともリタイアすることなく力強い走りを見せた。
2016年に150人から始まったチームは、昨季後半にはスタッフ400人に達したという。今季から新規参戦したキャデラックがすでに600人規模であるのと比べれば、そのスケールはまだ大きいとは言えないが、着実に進歩しているのは間違いない。
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チーム創設時から関わってきた小松礼雄にとって、チーム代表として臨むのは今季が3シーズン目になる。2024年10月にはTOYOTA GAZOO Racing(TGR)とテクニカルパートナーシップを締結し、今季はタイトルスポンサーも兼ねることになった。チームの名称は『TGRハースF1チーム』に変更。トヨタ色が強まってきたように見えるが、従来通りにパワートレインはフェラーリ、車体づくりの面ではダラーラと提携して、ハースのマシンとして形にしている。
今季のマシンへの自信
小規模チームがジャイアントキリングを成し遂げるための方法論はどのようなものか。そこには自らの経験に基づいた組織論、リーダーシップの形があった。
——今までとまったく違うレギュレーションへの対応を迫られる中でも、ハースはオフのテストから安定感を見せています。
「VF-26(ハースの今季マシン)はすごく素性がいいんです。基本的に低中高速コーナーのどこでもバランスが乱れていなくて大きな問題がない。その点はうちの開発陣にすごく感謝しています。おかげで他のことを切り捨てて、エネルギーマネジメントを最優先にして取り組めている。マシンのどこかに弱点があったら、こうはいきません」
——エネルギーマネジメントの想定は、シミュレーターでは把握しきれないものでしょうか?
「ハースはフェラーリのシミュレーターを使っているんですが、すべてはやりきれないですね。グリップレベルなどの予測が少しでも外れると、シミュレーターでは問題にならなかったことが問題になってくるんです。その逆もあって、問題だと思っていたことが実際のサーキットでは問題にならないこともあります」


