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「有力な形が10に近いくらいある」“藤井将棋の恐ろしさ”を永瀬拓矢に聞いたのち…各対局場への“感謝”に思い出す谷川浩司とのやり取り
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大川慎太郎Shintaro Okawa
photograph byShintaro Okawa
posted2026/03/25 11:03
3勝3敗のタイに戻した藤井聡太王将
「うーん……。どうでしょう。4六に香を走られる数手前から気がついて、まあダメだと思ったんです。ただ伊藤さん(匠二冠)ならうまく頑張れそうな感じなので、そこは残念だったかなと思います。そもそもの設定が悪かったので、相手の攻撃の組み立てを看破しなければいけなかった。4六に香を走る手を看破できていれば、まだ粘りようはあったんですけどね」
最近、永瀬と話をしていると伊藤の名前が出てくることが多いのだが、ここでも登場した。
伊藤は敵の狙いを看破することに長けているのだろうか?
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「うまいですよ。本局もそうですけど、私は看破できずに一撃をもらって終わってしまうパターンが結構あります。勝負としては看破できたほうがいいのは間違いないんですけど、形勢が悪いと結局は相手のミス待ちなんですよね」と無念さをにじませた。
その点はありがたかったです
将棋の内容について訊きたいことは尋ねた。取材が始まってから25分が過ぎていたが、もう少し話ができそうな雰囲気があった。
名古屋対局場にはどういう感想を持ったのだろうか。永瀬はA級順位戦などでここで何度か対局しているが、改めて感じたことはあるのか。すると永瀬は「あー、あー」と漏らした。質問の的が外れている時の、いつもの態度である。
「対局自体は快適にできました。その点はよかったのですが、やはり宿泊場と対局場が離れているのはなかなか大変ですよね。移動があると30分くらい早く準備しなきゃいけないので。前局の大田原(栃木県・ホテル花月)は宿泊しているホテルでの対局だったので、その点はありがたかったです」
谷川浩司が語っていた“同じようなこと”とは
以前、谷川浩司十七世名人が同じようなことを語っていたのを思い出す。

