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「身体が全快しないんです」“超過密日程”の永瀬拓矢は、なぜ10歳下の藤井聡太“不調説”を否定したか「基本的に調子とかはないんですよね」
posted2026/03/25 11:04
王将戦第6局の結果を受けて、3勝3敗となった藤井聡太王将と永瀬拓矢九段
text by

大川慎太郎Shintaro Okawa
photograph by
日本将棋連盟
対局場からの眺望…「眩しいと嫌ですけど」
王将戦第6局が決着した夜。挑戦者の永瀬拓矢九段への取材の終盤で、対局場からの眺望について尋ねた時のことだった。
対局中に眺めたことはあったのかと問うと、永瀬は明瞭な口調で「いや、ないです」と打ち消した。
「街並みにあんまり興味がないのかもしれませんね。藤井さんみたいに地理が得意なら、『あそこが、あれか』とか思うんでしょうけど。私は『ビルがあるな』ぐらいで、『ここから落ちたら死ぬな』と思いました(笑)。そこに対して何かをあまり感じることはないですね。眩しいと嫌ですけど」
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永瀬は光の反射に敏感で、10年前のタイトル戦では対局中に将棋盤が眩しいと主張して、協議の末に盤の位置を変えたこともあった。
本局の検分でも、永瀬が「駒台が光る」と主張し、適当な明るさと駒台の位置を探った。「全部反射していたので驚きましたね」と永瀬は苦笑する。
最終の第7局は、3月25、26日に大阪府高槻市の「関西将棋会館」で行われる。第6局が終わったのが19日だから、1週間もない。しかも永瀬は22日に「東京・将棋会館」で竜王戦ランキング戦1組準決勝が入っている。
過密日程が続くと身体が全快しないんです
永瀬は以前から「対局と対局の間は、できれば移動日を入れないで中2日はほしい」と話している。今回は竜王戦も王将戦第7局も、それは叶わなかった。
今年に入って、永瀬は過密スケジュールが続いている。それについて尋ねると、永瀬は冗談めかして語った。
「普通の人なら体調を崩しているような気がするんですけどね(笑)。今はもう、体調を崩さずに対局場に行っているだけでも偉いと思うようになりました(笑)」
そして真剣な口調に転じて、言葉を続けた。

