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「はあ…」“最強・藤井聡太”復活の一局に永瀬拓矢がタメ息「研究会では近い棋力の方がいない」構想を無力化した“不調説払拭”の真相とは
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大川慎太郎Shintaro Okawa
photograph byShintaro Okawa
posted2026/03/25 11:01
王将戦を3勝3敗のタイに戻した藤井聡太六冠
勝てば王将奪取の将棋を2局続けて敗れたのだから、落胆はしているかもしれない。でも、なぜだか今回も取材を受けてもらえる気がした。特に根拠があったわけではないが、前局の取材後に交わした雑談の余韻が悪いものではなかったからである。
永瀬からはすぐに返事があった。
「●時●分からいかがでしょうか」と簡潔に記されていた。時間がきて電話をかけると、「あ、お願いします」といつもの声が返ってきた。
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まず本局で最も訊きたいことは、序盤の構想についてである。永瀬が序盤で見せた7筋を突き捨ててから右桂を6五に跳ねてさらに1筋を攻める構想は、研究会などで経験があったのだろうか。
「いえ、1回も指したことがないです」
取材開始直後は硬く、言葉数が少ないのが永瀬の常である。私も取材冒頭が最も緊張するのだが、この時は次の言葉がすんなりと出た。
「研究会で指した経験があるからといって、それが必ずしもプラスになるわけではない。変な先入観になってしまうこともある、と以前におっしゃっていましたが」
研究会では藤井さんに近い棋力の方がいないので…
すると永瀬は「まさにそれですね」と肯定し、取材早々にも関わらず強烈な言葉を放った。
「研究会では藤井さんに近い棋力の方がいないので、参考になるケースがあまりないんです。伊藤さん(匠二冠)とは研究会をしていますが、先手番で伊藤さんはほぼ相掛かりで、角換わりを指されませんから」

