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「吉田知那美も吉村紗也香も育った」女子カーリングの聖地・常呂がスゴい「コーチは地元の漁師」「ロコ・ソラーレvs学生も」一方で過疎化問題も
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茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA,AFLO
posted2026/04/08 11:03
吉村紗也香と吉田知那美。女子カーリングを引っ張る彼女たちの故郷・常呂は今?
寒河江 そうですね、映画にまでなりましたから。チーム青森としてオリンピックに行った小笠原歩さんや船山弓枝さんたちが帰ってきた時には、常呂で凱旋報告会があって、すごい盛り上がりでした。
――その時の熱気はすごかったでしょうね。
寒河江 そこで彼女たちに花束を渡したのが、当時小中学生だった吉田さんや鈴木さんたち、後のロコ・ソラーレのメンバーなんです。そして何年か後、今度は彼女たちが平昌オリンピックでメダルを獲って、北見での凱旋パレードには「北見にこんなに人がいるのか」と思うぐらい、町中の人が集まってきました。
以前に比べて…盛り上がり面での危惧とは
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――素晴らしい連鎖ですね。一方で、常呂や北見でも人口減少という課題があると伺います。カーリングをプレーする人口にも影響は出ていますか。
寒河江 はい。正直なところ、以前のような盛り上がりには少し欠けてきているかもしれません。この間、常呂中学校の生徒会の生徒たちに「カーリングやってる?」って聞いたら、誰もやっていなかったりして。昔はクラスのほとんどがリーグ戦に参加していたんですけど、今はそんなことがなくて、ちょっと寂しいですね。
――授業でカーリングをやる、という話も聞きますが、それだけでは競技人口の維持は難しいのでしょうか。
寒河江 授業は今もあると思います。でも、そこからさらに放課後の活動として、協会のチームに入ってリーグ戦に出る、というところまではなかなかいかないのかもしれません。
――ミラノ・コルティナ五輪でも常呂でパブリックビューイングがされていたと聞きました。その様子はいかがでしたか。
寒河江 カーリングをされている方を中心に集まっていましたね。その中で子供たちの姿が少なかったのは、今後に向けて気になるところではありますが……。ただ中学、高校、大学と10年近く吉村選手のチームを指導してきた小林さんもスイスに勝てて最高に喜んでいました。吉村選手については「オリンピックの最初は緊張した様子だったが、この試合の後半から勝負師の目になってきた」と話していましたね。
学生がロコと対戦する機会があるんですよ
――そういった話を聞くと、課題は抱えつつもカーリング文化の灯は受け継がれているように思います。
寒河江 そうですね。常呂では、元オリンピック選手の白畑容子さんや、男子の強豪チーム「アイスマン」の選手たちが子供たちの指導にあたっています。親の代から子の代へ、そして自分の子供たちへ、という流れが常呂にはあります。
――北見はいかがでしょうか。

